費用・相場

【2026年】けい酸カルシウム板・岩綿吸音板のアスベスト|見分け方と除去費用(レベル3)

最終更新: 2026年5月29日8分で読める2026年1月確認済み

けい酸カルシウム板・岩綿吸音板の除去費用はいくら?

けい酸カルシウム板第1種で1,500〜3,500円/㎡、岩綿吸音板で2,000〜5,000円/㎡が目安です。これに事前調査・分析費3万〜5万円/検体、石綿含有産業廃棄物の処分費2万〜4万円/㎥、養生・運搬費が加算されます。いずれもレベル3のため隔離養生は不要で、破砕せず原形のまま手ばらしで撤去します。

この記事の結論

内装に多いけい酸カルシウム板第1種と岩綿吸音天井板の石綿含有を見分ける方法、外壁スレートとの違い、けいカル第1種と第2種の区別、レベル3成形板の手ばらし除去ルール、平米単価の費用相場、適正処理と業者選びを2026年最新の石綿則・建材データベースに沿って整理した実務ガイドです。

この記事でわかること

  • けい酸カルシウム板第1種は水まわりの内装下地、岩綿吸音板は天井に多い成形板
  • 外壁スレートとは別物の「室内側の建材」で調査時に見落とされやすい
  • けいカル板は第1種に石綿含有品が多く、第2種(耐火被覆)と区別が必要
  • いずれもレベル3で破砕せず原形のまま手ばらし撤去するのが原則
  • レベル3でも事前調査・電子報告・作業主任者選任の義務は免除されない
  • 除去費用はけいカル1,500〜3,500円/㎡、岩綿吸音板2,000〜5,000円/㎡が目安

けい酸カルシウム板・岩綿吸音板のアスベストとは

けい酸カルシウム板第1種は水まわりの不燃下地に使われた内装成形板、岩綿吸音板は岩綿を主原料とする多孔質の天井吸音ボードで、いずれも1980〜2004年頃までの製品に石綿が含有された例があります。非飛散性のレベル3建材に分類され、破砕せず原形のまま手ばらしで撤去するのが基本です。

台所や天井の内装材にもアスベストが潜む

解体やリフォームの見積もりで「内装ボードにもアスベスト調査が必要」と言われ、屋根のスレートだけが対象ではないことに驚く方は少なくありません。台所・洗面所まわりの不燃下地に使われた「けい酸カルシウム板第1種」や、学校・オフィスの天井に張られた「岩綿(ロックウール)吸音板」は、いずれも石綿が添加された代表的な内装成形板です。外壁スレートとは設置場所も用途も異なるため、調査時に見落とされやすい建材です。

本ガイドでは、施主・ビルオーナー・解体業者が押さえるべきこの2種類の内装建材について、見分け方、レベル3としての除去ルール、費用相場、業者選びを2026年最新の石綿障害予防規則に沿って整理します。

外壁スレートとは別物の「内装の成形板」

波形スレートやサイディングが屋根・外壁の建材であるのに対し、けい酸カルシウム板第1種と岩綿吸音板は室内側に施工される成形板です。前者は不燃性を活かして水まわりの壁・天井下地に、後者は吸音性を活かして事務所や教室の天井に多用されました。どちらも非飛散性のレベル3建材に分類されますが、破砕すれば石綿が飛散するため適正な撤去が欠かせません

使われた建物と時期の目安

石綿含有のけい酸カルシウム板第1種は1960年代後半から2004年頃まで、岩綿吸音板は1960年代から1980年代の製品に含有例が多く確認されています。築20年以上のビル・店舗・公共施設・住宅では、内装解体前に必ず調査対象に含める必要があります。アスベスト調査サービスで対象建材を相談できます。

けい酸カルシウム板第1種の特徴と見分け方

けい酸カルシウム板は、けい酸質原料とセメントに繊維を加えて成形した不燃ボードです。第1種と第2種があり、石綿含有の判断では両者の区別が極めて重要になります。

第1種と第2種の違いを混同しない

けい酸カルシウム板第1種は内装下地用で、台所・洗面所・浴室まわりの壁や天井、軒天に使われ、石綿含有品が多く流通したのは主にこの第1種です。一方、第2種は鉄骨の耐火被覆に用いる厚手のボードで、用途も施工部位も異なります。同じ「けい酸カルシウム板」でも種別で石綿含有の傾向が違うため、図面や製品刻印だけで判断せず分析で確認します。

見た目の特徴と判別の限界

第1種は白〜淡灰色で表面が平滑、厚さ5〜8mm程度の比較的薄いボードが一般的です。ビスやボンドで下地に留められ、上にクロスや塗装が施されていることも多く見られます。ただし外観や厚みだけで石綿の有無を確定することはできず、JIS A 1481に基づく分析調査が唯一の確実な判定方法です。製造年や商品名が分かる場合は建材データベースの照合も有効です。

岩綿吸音板(ロックウール吸音天井板)の特徴

岩綿吸音板は、岩綿(ロックウール)を主原料に成形した天井用の吸音ボードで、表面の細かな孔(トラバーチン模様)が特徴です。事務所や教室の天井で多く見かける建材です。

天井に張られた多孔質ボードに注意

岩綿吸音板は軽量で吸音・断熱性に優れ、オフィス・学校・病院・店舗の天井に広く普及しました。表面に小さな穴や虫食い状の模様がある天井板は岩綿吸音板の可能性が高く、1980年代以前の製品には石綿が含まれている例があります。下地材の岩綿吸音板を石膏ボードのジプトーンと混同しやすいため、製品の種類を分析で特定することが重要です。

劣化・水濡れ時のリスク

多孔質の岩綿吸音板は経年や雨漏りで劣化・崩落しやすく、破断面から繊維が露出するおそれがあります。レベル3であっても、ボロボロに劣化した状態で乱暴に撤去すれば石綿が飛散するため、湿潤化したうえで原形を保って撤去する配慮が必要です。撤去後の廃材は産業廃棄物処理サービスで許可業者を確認できます。

事前調査と電子報告の義務

これらの内装成形板も、他の石綿含有建材と同じく解体・改修前の事前調査と報告義務の対象です。レベル3だからといって調査を省略することはできません。

有資格者による事前調査が必須

2022年4月以降、建築物の解体・改修工事の石綿事前調査は、建築物石綿含有建材調査者などの有資格者が実施することが義務付けられています。けい酸カルシウム板や岩綿吸音板も対象建材として目視・図面確認を行い、判別できない場合は検体を採取して分析します。調査結果の記録は元請業者が3年間保存する義務があります

一定規模で電子報告が必要

2023年10月から、床面積80㎡以上の解体工事、または請負金額100万円以上の改修工事では、石綿事前調査結果報告システムによる電子報告が義務化されています。内装ボードのみの工事でも規模要件を満たせば報告対象です。アスベストガイド一覧で報告手順の詳細も確認できます。

レベル3建材の除去方法と費用相場

けい酸カルシウム板第1種・岩綿吸音板はいずれもレベル3(非飛散性)で、原形のまま手ばらしで撤去するのが基本です。工法と費用の目安を整理します。

破砕せず原形撤去が原則

レベル3成形板の撤去は、破砕・切断を避け、ビスやボンドを外して板を一枚ずつ原形のまま取り外すのが原則です。粉じんの発生を抑えるため、作業前の湿潤化、専用袋への密閉、保護具の着用を行います。隔離・負圧養生は不要ですが、作業計画の作成と石綿作業主任者の選任は2021年4月からレベル3にも義務付けられています。

建材別の平米単価の目安

建材 除去費用の目安 主な施工部位
けい酸カルシウム板第1種 1,500〜3,500円/㎡ 水まわりの壁・天井下地
岩綿吸音板 2,000〜5,000円/㎡ 事務所・教室の天井
事前調査・分析費 3万〜5万円/検体 定性分析(JIS A 1481)

上記に加えて、廃棄物処分費(石綿含有産業廃棄物として2万〜4万円/㎥)や養生・運搬費が加算されます。面積が小さい現場ほど単価は割高になる傾向があるため、内装解体時に複数の含有建材をまとめて撤去すると、養生や運搬の費用を共有でき総額を抑えやすくなります。

適正処理とマニフェストの注意点

撤去したけい酸カルシウム板・岩綿吸音板は、石綿含有産業廃棄物として法令に従って処理する必要があります。処理の流れを理解しておくと、不法投棄や追加費用のトラブルを避けられます。

石綿含有産業廃棄物としての処理

石綿含有率0.1%超の成形板は石綿含有産業廃棄物に該当し、他の廃材と混ぜず、破砕せずに丈夫な袋やシートで二重梱包して管理型最終処分場で埋立処分または無害化処理します。収集運搬・処分の各段階で産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付し、適正処理を確認することが排出事業者の責任です。

業者選びで確認したいポイント

  • 建築物石綿含有建材調査者が在籍し正確な分析を行えるか
  • 石綿作業主任者を選任できる体制があるか
  • 破砕せず原形撤去する手ばらし工法を実施できるか
  • 産業廃棄物収集運搬業の許可と処分先を明示できるか
  • 調査費・除去費・処分費を含む総額見積もりを提示できるか

見積もりや工法に不安がある場合は、お問い合わせから専門業者に相談できます。複数社の提案を比較し、根拠のある工法と費用を選ぶことが安全で納得できる工事につながります。

現場の窓口 編集部

解体工事・アスベスト調査・土壌汚染調査・産業廃棄物処理の専門情報を提供しています。

全国2,500社以上の提携業者ネットワークと、年間15万件以上の見積もり実績に基づく情報をお届けします。

よくある質問

Qけい酸カルシウム板第1種と第2種は何が違うのですか?
A

けい酸カルシウム板第1種は内装下地用で、台所・洗面所まわりの壁や天井、軒天に使われ、石綿含有品が多く流通したのはこの第1種です。一方、第2種は鉄骨の耐火被覆に用いる厚手のボードで用途が異なります。どちらも種別だけで石綿の有無を断定できないため、JIS A 1481の分析で確認します。

Q岩綿吸音板にアスベストは含まれていますか?
A

1980年代以前に製造された岩綿吸音板には石綿が含まれている例があります。表面に小さな穴や虫食い状の模様があるオフィス・学校の天井板は岩綿吸音板の可能性が高いため、築年数が古い建物では分析調査が必要です。石膏ボードのジプトーンと混同しやすいので、製品の種類を分析で特定することが重要です。

Qレベル3建材なら調査せずに解体してよいですか?
A

いけません。2022年4月以降、レベル3を含むすべての建材について有資格者による事前調査が義務化されています。また床面積80㎡以上の解体や請負100万円以上の改修では、石綿事前調査結果報告システムでの電子報告も必要です。レベル3でも調査・報告・適正処理の義務は免除されません。

Qけい酸カルシウム板や岩綿吸音板の除去費用はいくらですか?
A

けい酸カルシウム板第1種で1,500〜3,500円/㎡、岩綿吸音板で2,000〜5,000円/㎡が目安です。これに事前調査・分析費が3万〜5万円/検体、石綿含有産業廃棄物の処分費が2万〜4万円/㎥、養生・運搬費が加算されます。面積の小さい現場では単価が割高になる傾向があります。

Qレベル3の撤去で隔離養生は必要ですか?
A

けい酸カルシウム板第1種・岩綿吸音板はレベル3(非飛散性)のため、レベル1・2のような隔離・負圧養生は原則不要です。ただし破砕せず原形のまま手ばらしで撤去し、湿潤化と保護具の着用を行う必要があります。作業計画の作成と石綿作業主任者の選任は2021年4月からレベル3にも義務付けられています。

Q劣化した岩綿吸音板を自分で撤去しても大丈夫ですか?
A

推奨できません。多孔質の岩綿吸音板は雨漏りや経年で劣化・崩落しやすく、破断面から石綿繊維が露出するおそれがあります。乱暴に撤去すると飛散リスクがあるため、有資格の専門業者に依頼し、湿潤化して原形を保ったまま撤去・密閉梱包してもらうのが安全です。

Q撤去した内装ボードはどう処分すればよいですか?
A

石綿含有率0.1%超の成形板は石綿含有産業廃棄物に該当します。他の廃材と混ぜず破砕せずに、丈夫な袋やシートで二重に梱包し、管理型最終処分場で埋立処分または無害化処理します。収集運搬・処分の各段階でマニフェストを交付し、適正処理を確認することが排出事業者の責任です。

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この記事のまとめ

内装に多いけい酸カルシウム板第1種と岩綿吸音天井板の石綿含有を見分ける方法、外壁スレートとの違い、けいカル第1種と第2種の区別、レベル3成形板の手ばらし除去ルール、平米単価の費用相場、適正処理と業者選びを2026年最新の石綿則・建材データベースに沿って整理した実務ガイドです。

この記事の監修者

Y

吉田 雄一

アスベスト調査・環境コンサルタント

建築物石綿含有建材調査者石綿作業主任者環境計量士

2023年の事前調査義務化に伴い、全国の調査業者との連携体制を構築。アスベスト調査から除去工事まで一貫したサポート体制を提供。

この記事を書いた人

R

現場の窓口 編集部

運営: 合同会社Radineer

解体工事・アスベスト調査・土壌汚染調査・産業廃棄物処理の一括見積もりサービスを運営。 全国2,500社以上の審査済み業者と提携し、累計15万件以上の見積もり実績があります。

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更新履歴

  • 20266最新情報を確認・更新
  • 2026-05-29記事作成