解体工事に補助金が出るって本当?
解体工事は高額な費用がかかるため、「少しでも費用を抑えたい」と考える方は多いでしょう。
実は、老朽化した空き家の解体には、自治体から補助金が出る場合があります。最大で100万円以上の補助を受けられるケースもあるため、解体を検討している方は必ずチェックしましょう。
この記事では、解体工事で使える補助金の種類、申請条件、手続きの流れを詳しく解説します。
解体補助金の基本知識
補助金が設けられている理由
全国に約849万戸(2018年時点)の空き家があり、このうち多くが老朽化して倒壊や火災のリスクを抱えています。自治体は、危険な空き家を減らし、地域の安全と景観を守るために、解体費用の一部を補助する制度を設けています。
すべての自治体にあるわけではない
解体補助金は国の制度ではなく、自治体独自の制度です。そのため、すべての市区町村で利用できるわけではありません。
- 東京都:23区のうち約15区が制度あり
- 政令指定都市:ほとんどの都市で制度あり
- 地方都市:財政状況によって有無が異なる
お住まいの自治体のホームページで「空き家 解体 補助金」と検索するか、住宅課・空き家対策課に問い合わせてみましょう。
解体補助金の種類と対象
1. 老朽危険空き家解体補助金
最も一般的な解体補助金です。倒壊の危険がある老朽化した空き家の解体に対して補助されます。
補助額の目安
| 補助率 | 上限額 | 例(解体費150万円の場合) |
|---|---|---|
| 解体費用の1/2 | 50万円 | 50万円の補助 |
| 解体費用の2/3 | 100万円 | 100万円の補助 |
| 解体費用の3/4 | 80万円 | 80万円の補助 |
主な申請条件
- 建物の老朽度:一定の基準を満たす老朽化(築30年以上、不良住宅判定など)
- 空き家であること:居住者がいない、または1年以上使用されていない
- 個人所有:法人所有は対象外のことが多い
- 市税の滞納がない:申請者が市税を滞納していないこと
- 登記名義人の同意:登記上の所有者から同意を得ていること
2. ブロック塀撤去補助金
地震時に倒壊の危険があるブロック塀の撤去に対する補助金です。建物解体と同時に塀も撤去する場合に利用できます。
補助額の目安
| 補助内容 | 金額 |
|---|---|
| 撤去費用(1mあたり) | 1〜2万円 |
| 上限額 | 10〜30万円 |
対象となるブロック塀
- 道路に面している
- 高さ1m以上
- 老朽化または基準を満たしていない(控え壁がないなど)
3. アスベスト除去補助金
アスベスト(石綿)を含む建材の除去費用に対する補助金です。解体工事でアスベストが見つかった場合に利用できます。
補助額の目安
| 補助率 | 上限額 |
|---|---|
| 除去費用の1/2〜2/3 | 100〜200万円 |
対象
- レベル1(吹付け石綿):最も危険、数百万円の除去費用
- レベル2(石綿含有断熱材・保温材):数十万円〜数百万円
- レベル3(石綿含有建材):比較的費用は少ないが補助対象外のことも
4. 建て替え促進補助金
解体後に新築する場合に利用できる補助金です。「解体+新築」をセットで支援する自治体もあります。
- 解体費用の一部を補助
- 新築費用も別途補助されることがある
補助金申請の流れ
Step 1: 自治体への事前相談(工事開始の2〜3ヶ月前)
まず、お住まいの自治体の住宅課や空き家対策課に相談します。
- 補助金制度の有無
- 申請条件を満たしているか
- 今年度の予算残額
- 必要書類のリスト
⚠️ 重要
交付決定前に工事を始めると補助対象外になります。必ず事前に申請してください。
Step 2: 必要書類の準備
一般的に必要な書類は以下の通りです。
- 補助金交付申請書(自治体指定の様式)
- 建物の登記事項証明書
- 固定資産税評価証明書
- 建物の写真(外観・内部)
- 解体業者の見積書
- 解体業者の建設業許可証または登録証のコピー
- 公図・地籍図
- 市税の完納証明書
- 同意書(共有名義の場合は全員の同意)
Step 3: 申請書の提出
書類を揃えて自治体に提出します。受付期間が決まっている場合があるので注意しましょう。
- 先着順:予算がなくなり次第終了
- 期間内申請:4月〜5月など申請期間が限定されている
Step 4: 現地調査・審査
自治体の担当者が現地を訪れ、建物の老朽度を調査します。審査には1〜2ヶ月かかることがあります。
Step 5: 交付決定通知
審査に通ると、「補助金交付決定通知書」が届きます。この通知を受け取ってから工事を開始できます。
Step 6: 解体工事の実施
解体業者と契約し、工事を行います。工事中の写真を撮影しておきましょう(報告時に必要)。
Step 7: 完了報告
工事完了後、以下の書類を提出します。
- 完了報告書
- 工事前・中・後の写真
- 解体業者からの請求書・領収書
- 建物滅失登記完了証明書(または申請中の証明)
- 産業廃棄物管理票(マニフェスト)のコピー
Step 8: 補助金の振込
完了検査後、指定した口座に補助金が振り込まれます。補助金は後払いのため、工事費用は一旦全額支払う必要があります。
補助金申請の注意点
1. 予算に上限があり、年度途中で終了することも
多くの自治体では予算が限られており、申請が多い場合は年度途中で受付終了となります。早めの申請をおすすめします。
2. 交付決定前に工事を始めると対象外
「工事を先に始めてしまった」という理由で補助金をもらえなかったケースは多いです。必ず交付決定通知を受け取ってから工事を開始しましょう。
3. 補助金は後払い
工事完了後に振り込まれるため、解体費用は一旦全額自己負担する必要があります。資金計画に注意しましょう。
4. 建物滅失登記が必須
補助金を受け取るには、解体後1ヶ月以内に建物滅失登記を申請することが条件となっている自治体が多いです。
5. 新築のための解体は対象外のことも
「空き家対策」が目的の補助金では、建て替えや新築のための解体は対象外となることがあります。ただし、「建て替え促進補助金」なら対象になる場合もあるため、確認しましょう。
自治体別の補助金例
東京都世田谷区
- 補助率:解体費用の2/3
- 上限:100万円
- 条件:築30年以上、空き家期間1年以上
大阪市
- 補助率:解体費用の1/2
- 上限:50万円
- 条件:老朽危険度判定で一定基準を満たすこと
横浜市
- 補助率:解体費用の1/2
- 上限:50万円
- 条件:不良住宅と認定された建物
名古屋市
- 補助率:解体費用の4/5
- 上限:100万円
- 条件:老朽度80点以上(市の基準)
※金額や条件は変更される可能性があります。最新情報は各自治体のホームページでご確認ください。
補助金以外の費用削減方法
1. 空き家特例(3000万円控除)を活用
相続した空き家を売却する際、一定の条件を満たせば譲渡所得から最大3000万円を控除できます。詳しくは相続した空き家の解体ガイドをご覧ください。
2. 解体ローンを利用
自治体と提携した低金利の「空き家解体ローン」を利用できる場合があります。詳しくは解体ローンガイドをご覧ください。
3. 複数業者から見積もりを取る
解体費用は業者によって大きく異なります。最低でも2〜3社から見積もりを取り、適正価格を把握しましょう。
まとめ
解体補助金を活用すれば、最大100万円以上の費用を削減できる可能性があります。
- まずは自治体に補助金制度の有無を確認
- 交付決定前に工事を始めないよう注意
- 補助金は後払いなので、資金計画をしっかり立てる
- 建物滅失登記など、必要な手続きを漏れなく行う
補助金の申請には時間がかかるため、解体を検討し始めたら早めに自治体に相談しましょう。
💡 次のステップ
補助金申請と並行して、信頼できる解体業者の選び方もチェックしておきましょう。
よくある質問
Qどの自治体でも補助金はありますか?
すべての自治体にあるわけではありません。お住まいの自治体のホームページで確認してください。
Q新築のための解体でも補助金は使えますか?
制度によります。空き家の解体を条件としている場合、建て替えは対象外のことが多いです。