調査方法

地下水調査とサンプリング手法|観測井戸設置から水質分析まで

更新: 2025-02-096分で読める2026年1月確認済み

地下水調査とは

地下水調査は、地下水中の特定有害物質の濃度を測定し、地下水汚染の有無と広がりを把握する調査です。土壌汚染が地下水に溶出している場合、広範囲に汚染が拡散するリスクがあります。

地下水調査が必要なケース

  • 土壌溶出量基準に不適合(汚染物質が地下水に溶け出す可能性)
  • 土壌ガス調査で基準不適合
  • 要措置区域または形質変更時要届出区域の指定時
  • 浄化対策後のモニタリング

調査手順の詳細

1. 観測井戸の設置

設置手順

  1. ボーリング穿孔:地下水位より深い位置まで穿孔(通常5〜10m)
  2. ストレーナー管の設置地下水位を跨ぐ位置に有孔管(ストレーナー)を設置
  3. フィルター材充填:ストレーナー周辺に砂利を充填(地下水流入促進)
  4. ベントナイト充填:地表から地下水面までベントナイト(粘土)で密閉
  5. 保護管設置:塩ビ管を地表に突出させ、キャップで密閉

観測井戸の構造

  • 直径:50〜100mm(塩ビ管)
  • 深度:地下水位より1〜2m深い位置まで
  • ストレーナー長:1〜3m(地下水層の厚さに応じる)

2. 地下水位の測定

観測井戸設置後、24時間以上静置してから地下水位を測定します。

測定方法

  • 水位計:電気式水位計を井戸に挿入し、地表からの深さを測定
  • 地下水面の標高算定:地表標高 − 地下水深度
  • 地下水流向の推定:複数の観測井戸の水位差から流向を推定

3. 地下水サンプリング

サンプリング手順

  1. 井戸内水の排出(パージング):井戸内に滞留した水を排出(井戸容量の3〜5倍量)
  2. 清浄な地下水の流入待機:30分〜1時間待機
  3. ベーラー(採水器)で採水テフロン製またはステンレス製のベーラーを使用
  4. 容器への移し替え:分析項目に応じた専用容器に移し替え
  5. 保冷・輸送:クーラーボックスで4℃以下に保冷し、速やかに分析機関へ

サンプリング時の注意点

  • 空気との接触を最小限にする(VOCの揮発防止)
  • 容器は満水にする(VOCの揮発防止)
  • 採水後48時間以内に分析開始

4. 水質分析

土壌汚染対策法で定める25項目の特定有害物質の濃度を測定します。

分析方法

  • VOC:ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS)
  • 重金属:ICP質量分析法、原子吸光法
  • 農薬類:ガスクロマトグラフ法

地下水基準と判定

地下水中の汚染物質濃度が以下の基準値を超過した場合、「地下水汚染あり」と判定されます。

物質名地下水基準
0.01mg/L以下
六価クロム0.05mg/L以下
ヒ素0.01mg/L以下
トリクロロエチレン0.01mg/L以下
テトラクロロエチレン0.01mg/L以下
ベンゼン0.01mg/L以下

地下水汚染が確認された場合

  1. 要措置区域に指定:浄化対策が義務化
  2. 汚染プルームの特定:地下水流向に沿って追加調査
  3. 浄化対策の実施:揚水浄化、原位置浄化など
  4. モニタリング:浄化完了まで定期的に水質測定

調査費用・期間

  • 観測井戸設置1本あたり20〜30万円
  • 地下水サンプリング+分析(25項目):1地点あたり10〜15万円
  • 期間:井戸設置1週間、分析1〜2週間

費用例(3地点の場合)

  • 観測井戸設置:3本 × 25万円 = 75万円
  • 地下水分析:3地点 × 12.5万円 = 37.5万円
  • 合計:112.5万円

地下水流向・流速調査

汚染物質の移動方向を把握するため、地下水の流向・流速を測定します。

測定方法

  • 複数井戸の水位差から算定:3地点以上の井戸で水位を測定し流向を推定
  • トレーサー試験:井戸に無害な染料を注入し、流速を測定
  • 流速計:専用機器で直接測定

よくある質問

Q地下水調査は必ず実施する必要がありますか?
A

土壌溶出量基準に不適合の場合は必須です。土壌含有量基準のみ不適合の場合は、地下水調査は不要です(汚染物質が地下水に溶け出さないため)。

Q観測井戸は調査後に撤去する必要がありますか?
A

いいえ。浄化対策後のモニタリングに使用するため、通常は撤去せず残します。ただし、土地利用の支障になる場合は撤去することもあります。

Q地下水汚染が敷地外に広がっている場合、誰が浄化費用を負担しますか?
A

原則として、汚染原因者(土地の過去所有者や事業者)が負担します。ただし、原因者が特定できない場合や倒産している場合は、現所有者の負担になることもあります。

Q地下水汚染の浄化期間はどのくらいかかりますか?
A

汚染範囲や濃度により大きく異なりますが、通常2〜10年程度です。広範囲の汚染では20年以上かかることもあります。

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この記事を書いた人

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現場の窓口 編集部

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参照・引用元

  • 環境省-土壌汚染対策法
  • 都道府県-土壌汚染調査報告制度
  • 国土交通省-宅地建物取引業法(重要事項説明)

※ 各省庁の公開情報および当サイト提携業者からの提供データに基づき作成しています

更新履歴

  • 20261最新情報を確認・更新
  • 2025-02-09記事作成