汚染物質別

重金属土壌汚染【鉛・カドミウム】リスクと対策完全ガイド

更新: 2025-02-137分で読める2026年1月確認済み

重金属土壌汚染とは

重金属土壌汚染は、鉛・カドミウム・六価クロムなどの重金属が土壌に蓄積し、人体や生態系に悪影響を及ぼす汚染です。特に鉛とカドミウムは、工場跡地や農地で高頻度で検出されます。

鉛汚染のリスクと発生源

健康被害

  • 神経系への影響(特に子供の発達障害)
  • 貧血、腎臓障害
  • 妊婦の場合、胎児への影響

主な発生源

  • 活版印刷工場:鉛の活字を使用
  • 蓄電池工場:鉛バッテリーの製造
  • 塗料工場:鉛を含む塗料の製造(1970年代以前)
  • 射撃場:鉛弾の使用
  • 自動車整備工場:鉛バッテリーの廃棄

カドミウム汚染のリスクと発生源

健康被害

  • イタイイタイ病(骨軟化症):富山県神通川流域で発生
  • 腎臓障害(腎機能低下)
  • 発がん性(肺がん)

主な発生源

  • 亜鉛製錬所:亜鉛鉱石にカドミウムが含まれる
  • メッキ工場:カドミウムメッキ
  • 電池工場:ニッカド電池の製造
  • 顔料工場:カドミウムイエローなどの顔料

土壌汚染対策法の基準値

物質土壌溶出量基準土壌含有量基準
0.01mg/L以下150mg/kg以下
カドミウム0.003mg/L以下45mg/kg以下

調査方法

フェーズ2調査

  1. 土壌サンプリング:10m × 10mメッシュ単位で採取
  2. 溶出試験:土壌を水で溶出し、溶出量を測定
  3. 含有量試験:土壌を酸で溶解し、総量を測定
  4. 分析方法:ICP質量分析法、原子吸光法

分析費用

  • 鉛・カドミウム分析:1試料あたり1〜2万円
  • 10地点の場合:10〜20万円

浄化対策の種類と費用

1. 掘削除去

汚染土壌を掘削し、産業廃棄物処理施設で処分します。

  • 適用:高濃度汚染、狭い範囲の汚染
  • 費用500〜2,000万円/100m³
  • 期間:2〜6ヶ月
  • メリット:確実な除去、短期間で完了
  • デメリット:高額、土地の掘削跡が残る

2. 不溶化処理

薬剤を土壌に混合し、重金属を化学的に固定化します。

  • 適用:広範囲の汚染、掘削困難な場所
  • 費用200〜800万円/100m³
  • 期間:1〜3ヶ月
  • メリット:低コスト、土地利用可能
  • デメリット:汚染物質は残存、長期モニタリング必要

不溶化剤の種類

  • リン酸系薬剤(鉛に有効)
  • 硫化物系薬剤(カドミウムに有効)
  • セメント系固化材

3. 封じ込め

汚染土壌を遮水シートや舗装で覆い、拡散を防止します。

  • 適用:低濃度汚染、暫定対策
  • 費用100〜500万円/100m²
  • 期間:1〜2ヶ月
  • メリット:低コスト、迅速
  • デメリット:土地利用に制限、半永久的な管理必要

自然由来の重金属汚染

工場操業履歴がなくても、自然由来で鉛・カドミウムが基準値を超えるケースがあります。

自然由来の判定基準

  • 周辺の地層でも同様の濃度が検出される
  • 地層が自然状態で乱されていない
  • 汚染の垂直分布が自然状態と一致

自然由来の場合の対応

  • 都道府県への報告は必要
  • 浄化義務は免除される場合あり
  • 「自然由来特例区域」に指定される

農地の重金属汚染

農地でのカドミウム汚染は、米の食品基準(0.4mg/kg以下)を超えるリスクがあります。

対策

  • 湛水管理:水田を常に湛水状態に保ち、カドミウムの吸収抑制
  • 客土:清浄な土壌を表層に被覆
  • 低吸収品種の栽培:カドミウムを吸収しにくい米品種

重金属汚染の事例

事例1: 蓄電池工場跡地(鉛汚染)

  • 汚染範囲:1,200m²、深度2m
  • 最高濃度:鉛5,000mg/kg(基準値の33倍)
  • 対策:掘削除去 2,400m³
  • 費用:8,000万円

事例2: メッキ工場跡地(カドミウム汚染)

  • 汚染範囲:3,000m²、深度1.5m
  • 最高濃度:カドミウム200mg/kg(基準値の4.4倍)
  • 対策:不溶化処理 4,500m³
  • 費用:3,500万円

よくある質問

Q鉛とカドミウム、どちらが危険ですか?
A

どちらも深刻な健康被害をもたらします。鉛は神経系への影響が大きく、特に子供の発達障害のリスクがあります。カドミウムは腎臓障害やイタイイタイ病を引き起こします。

Q重金属汚染は自然に分解されますか?
A

いいえ。重金属は自然分解されず、土壌中に半永久的に残留します。浄化対策を実施しない限り、汚染は継続します。

Q自然由来の重金属汚染でも浄化が必要ですか?
A

自然由来と認定された場合、浄化義務が免除されることがあります。ただし、都道府県への報告は必要で、土地利用に一定の制限がかかる場合があります。

Q重金属汚染土壌の処分先はどこですか?
A

管理型産業廃棄物最終処分場で処分されます。高濃度汚染の場合は、遮断型処分場での処分が必要です。処分費用は1トンあたり2〜5万円程度です。

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この記事を書いた人

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現場の窓口 編集部

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参照・引用元

  • 環境省-土壌汚染対策法
  • 都道府県-土壌汚染調査報告制度
  • 国土交通省-宅地建物取引業法(重要事項説明)

※ 各省庁の公開情報および当サイト提携業者からの提供データに基づき作成しています

更新履歴

  • 20261最新情報を確認・更新
  • 2025-02-13記事作成