フェーズ2調査(表層土壌調査)とは
フェーズ2調査は、土地を10m × 10mのメッシュに区切り、実際に土壌をサンプリングして25項目の特定有害物質を分析する調査です。法定調査の中心となる重要なフェーズです。
調査の目的
- 土壌汚染の有無を科学的に判定
- 汚染物質の種類と濃度を特定
- フェーズ3(詳細調査)の必要性判定
- 都道府県への報告義務の履行
調査手順の詳細
1. 調査範囲の設定
フェーズ1調査の結果をもとに、汚染リスクに応じて調査密度を設定します。
- 汚染リスク高:10m × 10mメッシュ全点調査
- 汚染リスク中:30m × 30mメッシュ(1/9の密度)
- 汚染リスク低:調査対象外
2. 土壌サンプリング
各調査地点で以下の手順で土壌を採取:
- 表層土壌(0〜5cm):スコップで採取
- 深度5〜50cm:ハンドオーガーで採取
- 5地点混合法:1メッシュ内の5地点から土壌を採取し均一に混合
- 容器密封:ビニール袋に密封し、ラベル貼付
3. 分析項目(特定有害物質25項目)
第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)11項目
- クロロエチレン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン
- 1,1-ジクロロエチレン、1,2-ジクロロエチレン
- 1,3-ジクロロプロペン、ジクロロメタン
- テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ベンゼン
- 1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン
第二種特定有害物質(重金属等)9項目
- カドミウム、六価クロム、鉛、水銀
- セレン、ヒ素、フッ素、ホウ素、シアン化合物
第三種特定有害物質(農薬等)5項目
- シマジン、チオベンカルブ、チウラム
- PCB、有機りん化合物
4. 分析方法
- 第一種:土壌ガス調査(ガスクロマトグラフ質量分析法)
- 第二種:溶出試験(土壌を水で溶出し濃度測定)
- 第三種:溶出試験(土壌を溶媒で溶出し濃度測定)
基準値と判定
以下の基準値を1項目でも超過した場合、「基準不適合」と判定され、要措置区域または形質変更時要届出区域に指定されます。
| 物質名 | 土壌溶出量基準 | 土壌含有量基準 |
|---|---|---|
| 鉛 | 0.01mg/L以下 | 150mg/kg以下 |
| 六価クロム | 0.05mg/L以下 | 250mg/kg以下 |
| ベンゼン | 0.01mg/L以下 | — |
| トリクロロエチレン | 0.01mg/L以下 | — |
調査費用・期間
- 費用:150〜400万円(調査面積・地点数により変動)
- 期間:1〜2ヶ月(サンプリング1週間、分析2〜3週間)
- 報告書:A4版50〜100ページ程度
費用の内訳例(1,000m²の土地)
- サンプリング費用:10地点 × 7万円 = 70万円
- 分析費用:10地点 × 25項目 × 5,000円 = 125万円
- 報告書作成:25万円
- 合計:220万円
よくある質問
Qなぜ10m × 10mメッシュで調査するのですか?
土壌汚染対策法施行規則で定められた調査単位です。この単位で調査することで、汚染の見落としを防ぎ、全国統一の基準で評価できます。
Q25項目すべて分析しないとダメですか?
フェーズ1調査で汚染リスクを評価し、該当する物質のみに絞り込むことも可能です。ただし、不動産取引では全項目分析を求められることが多いです。
Qフェーズ2で基準不適合だった場合、必ず浄化が必要ですか?
いいえ。健康被害のおそれがない場合は「形質変更時要届出区域」となり、浄化義務はありません。土地利用に制限が設けられ、管理が必要になります。
Qサンプリングは自分で行えますか?
いいえ。法定調査では、環境大臣が指定した「指定調査機関」のみがサンプリング・分析を実施できます。自己採取した試料による調査は法的に無効です。