調査方法

土壌ガス調査の方法と手順|揮発性有機化合物の検出技術

更新: 2025-02-085分で読める2026年1月確認済み

土壌ガス調査とは

土壌ガス調査は、土壌中の気体(土壌ガス)を採取し、揮発性有機化合物(VOC)の濃度を測定する調査です。土壌汚染対策法の第一種特定有害物質(11項目)の調査に使用されます。

対象物質(第一種特定有害物質)

  • トリクロロエチレン(TCE)、テトラクロロエチレン(PCE)
  • ベンゼン、ジクロロメタン
  • クロロエチレン、四塩化炭素
  • 1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン
  • 1,2-ジクロロエチレン、1,3-ジクロロプロペン
  • 1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン

調査方法の詳細

1. 調査地点の設定

フェーズ2調査と同様、10m × 10mメッシュ単位で調査地点を設定します。

2. 土壌ガスサンプリング

サンプリング手順

  1. 穿孔:ハンドオーガーで深度0.8〜1.0mまで穿孔
  2. 採取管の設置:ステンレス製またはテフロン製の採取管を挿入
  3. 孔内の清浄化:シリンジで孔内の空気を数回吸引・排出
  4. ガス採取専用バッグ(テドラーバッグ)に土壌ガスを採取
  5. 密封・保管:バルブを閉じ、速やかに分析機関へ輸送

サンプリング時の注意点

  • 雨天時は避ける(土壌が湿潤だとガス採取困難)
  • 採取管周辺を粘土で密閉(外気の混入防止)
  • 採取後24時間以内に分析開始

3. 分析方法

ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS)

最も高精度な分析方法で、ppbレベル(10億分の1)の微量汚染も検出可能です。

分析手順

  1. テドラーバッグから土壌ガスをGC/MSに注入
  2. ガスクロマトグラフで物質を分離
  3. 質量分析計で物質を同定・定量
  4. 濃度を算定(vol ppm単位)

基準値と判定

土壌ガス中のVOC濃度が以下の基準値を超過した場合、「基準不適合」と判定されます。

物質名土壌ガス基準
トリクロロエチレン0.2 vol ppm以下
テトラクロロエチレン0.2 vol ppm以下
ベンゼン0.05 vol ppm以下
ジクロロメタン0.2 vol ppm以下

基準不適合だった場合の対応

  1. 土壌溶出量調査:当該地点の土壌をサンプリングし溶出量を測定
  2. 地下水調査:地下水汚染の有無を確認
  3. 詳細調査(フェーズ3):汚染範囲を確定

土壌ガス調査のメリット・デメリット

メリット

  • 高感度:微量汚染も検出可能
  • 非破壊:舗装面でも調査可能(穿孔のみ)
  • 迅速:サンプリングは1地点10分程度

デメリット

  • 地下水位が高い場合、調査困難
  • 雨天時は調査不可
  • 粘土質土壌では透気性が低くガス採取困難

調査費用・期間

  • 費用1地点あたり3〜5万円(サンプリング+分析)
  • 期間:サンプリング1日、分析1〜2週間
  • 10地点の場合:30〜50万円

調査できないケース

以下の場合、土壌ガス調査が実施できません。

  • 地下水位が地表面から1m以内(土壌ガス層がない)
  • 舗装が厚すぎる(穿孔困難)
  • 地下埋設物が多数存在(穿孔位置の制約)

この場合、土壌溶出量調査に切り替えます。

よくある質問

Qなぜ土壌ガスで調査するのですか?土壌を直接調べる方が確実では?
A

VOCは揮発性が高く、土壌ガスとして土壌間隙に存在します。土壌ガス調査の方が高感度で、広範囲のスクリーニングに適しています。ただし、基準不適合の場合は土壌溶出量調査も実施します。

Q土壌ガス調査で「検出せず」でも土壌汚染の可能性はありますか?
A

はい。地下水位が高い場合や粘土質土壌の場合、ガスが採取できず、汚染を見落とす可能性があります。このため、土壌溶出量調査との併用が推奨されます。

Qテドラーバッグとは何ですか?
A

テドラーバッグは、土壌ガスを採取・保管するための特殊な袋です。テフロン製で、VOCが袋に吸着・透過しにくい特性があり、正確な濃度測定が可能です。

Q土壌ガス調査は自分でできますか?
A

いいえ。法定調査では、環境大臣が指定した「指定調査機関」のみが実施できます。専用機器と技術が必要で、誤った手順では正確な結果が得られません。

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この記事を書いた人

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現場の窓口 編集部

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参照・引用元

  • 環境省-土壌汚染対策法
  • 都道府県-土壌汚染調査報告制度
  • 国土交通省-宅地建物取引業法(重要事項説明)

※ 各省庁の公開情報および当サイト提携業者からの提供データに基づき作成しています

更新履歴

  • 20261最新情報を確認・更新
  • 2025-02-08記事作成