費用・相場

土壌汚染調査の費用相場 - フェーズ1(地歴調査)からフェーズ2(ボーリング)までの目安

更新: 2025-12-1714分で読める2026年1月確認済み

土壌汚染調査のステップと費用

土壌汚染調査は、いきなり重機で掘削を始めるわけではありません。法律や実務上の効率性を考慮して、段階的に進めていく仕組みになっています。各フェーズで「これ以上調査する必要があるか」を判断しながら進めることで、無駄なコストを抑えつつ、必要な情報を確実に得ることができます。

この記事では、土壌汚染調査の各フェーズの費用詳細、期間、調査内容、そして賢い調査会社の選び方まで徹底的に解説します。

Phase 1:地歴調査(机上調査)の詳細

地歴調査とは何か

地歴調査(ちれきちょうさ)は、実際に現地に行かず、文献や資料だけで土壌汚染の可能性を判定する机上調査です。環境省が定める「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン」に従って実施されます。

調査内容の詳細

地歴調査では以下の資料を徹底的に調べます:

  • 住宅地図(古地図): 過去50年分以上を遡り、工場や特定施設の有無を確認
  • 登記簿謄本: 土地の過去の所有者や用途を追跡
  • 空中写真: 国土地理院のアーカイブから、建物や煙突、タンクの痕跡を探す
  • ヒアリング: 現所有者や近隣住民から過去の土地利用状況を聞き取り
  • 行政資料: 環境部局が保有する特定施設の届出記録を確認
  • 現地踏査: 建物の配置、配管痕、地面の変色など目視確認

Phase 1の費用内訳

項目 費用相場 備考
資料収集・調査 8万円〜15万円 住宅地図、登記簿、空中写真の取得・分析
ヒアリング・現地踏査 3万円〜8万円 調査員の人件費、交通費
報告書作成 5万円〜10万円 地歴調査報告書の作成・製本
合計 10万円〜30万円 敷地面積500㎡〜3,000㎡程度の場合

Phase 1で調査が終わるケース

地歴調査の結果、「土壌汚染のおそれがない」と判定されれば、ここで調査は終了します。これは以下のような場合です:

  • 過去に一度も工場や化学物質を扱う施設が存在しなかった
  • 一貫して住宅地・農地・山林として利用されてきた
  • 周辺に汚染源となる施設がなかった

コスト削減のポイント: Phase 1を専門性の高い調査会社に依頼することで、「汚染のおそれがない区画」を正確に特定でき、Phase 2の調査地点数を最小限に抑えられます。

Phase 2:表層土壌調査(ボーリング調査)の詳細

表層土壌調査とは

Phase 1で「汚染のおそれがある」と判定された場合、実際に土壌サンプルを採取して化学分析を行います。これがPhase 2:表層土壌調査です。土壌汚染対策法では、900㎡区画ごとに1地点(または30m格子ごとに1地点)の調査が基本とされています。

ボーリング1本あたりの費用詳細

作業項目 費用相場 詳細
ボーリング掘削(表層0.5m) 2万円〜4万円 ハンドオーガーまたは簡易ボーリング機械
土壌サンプル採取・保管 5千円〜1万円 適切な容器に密閉、ラベリング
分析費用(土壌溶出試験) 2万円〜4万円 第一種特定有害物質(VOC等)の場合
分析費用(土壌含有量試験) 1.5万円〜3万円 第二種特定有害物質(重金属等)の場合
1地点あたり合計 5万円〜10万円 分析項目数により変動

分析項目ごとの費用

土壌汚染対策法で定められた特定有害物質は26物質ありますが、すべてを調べる必要はありません。地歴調査の結果に基づき、「使用していた可能性のある物質」に絞って調査します。

分類 主な物質 1項目あたり分析費用
第一種(揮発性有機化合物) ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなど 1.5万円〜2.5万円
第二種(重金属等) 鉛、砒素、六価クロム、水銀、カドミウムなど 1万円〜2万円
第三種(農薬等) シマジン、チウラムなど 2万円〜3万円

敷地面積別の費用目安

敷地面積 調査地点数(目安) 総費用目安
500㎡以下 5〜8地点 30万円〜60万円
500㎡〜1,000㎡ 8〜12地点 50万円〜100万円
1,000㎡〜3,000㎡ 12〜30地点 80万円〜250万円
3,000㎡以上 30地点以上 200万円〜500万円以上

調査期間の内訳

  • 準備・許可申請: 1週間〜2週間(土地所有者の承諾、近隣への説明など)
  • 現地サンプリング作業: 1日〜3日(地点数による)
  • 分析機関での測定: 2週間〜4週間(分析項目数による)
  • 報告書作成: 1週間〜2週間
  • 合計: 1ヶ月〜2ヶ月

Phase 3:詳細調査(深度方向・範囲確定調査)

詳細調査が必要になるケース

Phase 2で基準値を超える汚染が検出された場合、「どこまで深く、どの範囲に汚染が広がっているか」を特定するために詳細調査を実施します。

詳細調査の費用構成

調査内容 費用相場 備考
深度方向ボーリング(5m〜10m) 15万円〜30万円/本 深さによって変動
範囲確定のための追加地点調査 8万円〜15万円/地点 汚染範囲の外縁を特定
地下水調査(観測井設置・採水分析) 20万円〜40万円/井戸 地下水汚染の有無を確認
汚染土壌量の算定 10万円〜20万円 対策費用の見積もりに必要
合計 100万円〜500万円 汚染の広がりによって大きく変動

追加調査が必要になるケース

1. 自然由来の汚染が疑われる場合

砒素やフッ素などは、自然の地層に由来することがあります。この場合、自然由来であることを証明するための追加調査が必要になり、20万円〜50万円程度の費用がかかります。

2. 土地利用履歴が複雑な場合

複数の工場が操業していた履歴がある場合、調査対象物質が増え、費用が1.5倍〜2倍になることがあります。

3. 敷地が広大な場合

1万㎡を超える敷地では、地点数が100地点を超えることもあり、Phase 2だけで1,000万円以上かかるケースもあります。

調査費用を抑える実践的な方法

1. 地歴調査を徹底する

Phase 1で「汚染のおそれがない区画」を正確に特定することで、Phase 2の調査地点を大幅に削減できます。Phase 1に10万円多く払っても、Phase 2で50万円削減できれば十分な投資です。

2. 複数社から見積もりを取る

調査会社によって費用は2倍近く差が出ることがあります。最低3社から見積もりを取り、内訳を比較しましょう。

3. 分析項目を絞る

全26物質を調べると莫大な費用になります。地歴調査で「使用した可能性が高い物質」に絞ることで、分析費用を30〜50%削減できます。

4. 自治体の助成金を確認する

一部の自治体では、土壌汚染調査費用の助成制度があります(例:東京都は調査費用の1/2、上限100万円など)。条件は厳しいですが、該当すれば大きな節約になります。

調査会社選びのチェックポイント

必須資格・認定

  • 環境計量士(濃度関係)が在籍している
  • 土壌汚染調査技術管理者が在籍している
  • 指定調査機関として環境大臣の指定を受けている

実績・専門性

  • 過去3年間の調査実績が50件以上ある
  • 同じ業種(工場、クリーニング店など)の調査経験がある
  • 行政への報告書作成経験が豊富

見積もりの透明性

  • 調査地点数の根拠が明確
  • 分析項目の選定理由が説明されている
  • 追加調査が必要になった場合の費用体系が明記されている

まとめ:段階的に進めることでコストを最適化

土壌汚染調査は、Phase 1から順番に進めることで「必要な調査だけを実施する」仕組みになっています。最初から「全部調査」を提案してくる業者には注意が必要です。

賢い土地所有者は、Phase 1で信頼できる専門家を選び、その判断に基づいて段階的に投資を決めています。急がば回れ、まずは地歴調査からしっかり始めましょう。

よくある質問

Q調査費用は誰が負担するのですか?
A

義務調査(土対法に基づく調査)の場合は土地の所有者等が負担します。自主調査(売買時など)の場合は、売主・買主どちらが負担するか交渉次第ですが、売主が「契約不適合責任」を免れるために事前に実施するケースが増えています。特に宅建業者が売主の場合、買主保護のため調査を実施することが一般的です。

Q安く済ませる方法はありますか?
A

地歴調査(Phase 1)をしっかり行い、「汚染の恐れがない区画」を明確にすることで、実際に掘る(Phase 2)地点数を減らせる可能性があります。地歴調査に強い専門機関を選ぶことがコストダウンの鍵です。また、複数社から見積もりを取り、分析項目を地歴に基づいて必要最小限に絞ることも重要です。

Q見積もりの有効期限はどれくらいですか?
A

一般的に見積もりの有効期限は3ヶ月程度です。分析費用や人件費は変動する可能性があるため、有効期限を過ぎた場合は再見積もりが必要になることがあります。契約前に有効期限を確認してください。

Q調査の途中で費用が追加されることはありますか?
A

あります。Phase 2で汚染が見つかった場合、Phase 3の詳細調査が必要になります。また、予想外の地下埋設物(旧タンクなど)が見つかった場合も追加費用が発生します。契約時に「追加調査が必要になった場合の費用体系」を明確にしておくことが重要です。

QPhase 2で汚染が見つかる確率はどれくらいですか?
A

地歴調査で「汚染のおそれあり」と判定された土地のうち、実際に基準超過が見つかる割合は約20〜30%です。つまり70〜80%は基準以下で問題ありません。ただし、工場やクリーニング店など明らかなリスク施設があった場合は、検出率が50%を超えることもあります。

Q分析結果が出るまでどれくらいかかりますか?
A

土壌サンプルを採取してから分析結果が出るまで、通常2〜4週間かかります。年度末(2〜3月)は分析機関が混雑するため、6週間以上かかることもあります。急ぐ場合は「特急料金」で1週間程度に短縮できる分析機関もありますが、費用が1.5〜2倍になります。

Q隣の土地から汚染が流れてくることはありますか?
A

あります。特に地下水汚染の場合、上流側の土地から汚染が流入することがあります。この場合、原因者(汚染源の土地所有者)に対策を求めることができますが、特定が困難なケースも多いです。リスクが高い立地(下流側、工業地域の隣接地など)では、購入前の調査が特に重要です。

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この記事を書いた人

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現場の窓口 編集部

運営: 合同会社Radineer

解体工事・アスベスト調査・土壌汚染調査・産業廃棄物処理の一括見積もりサービスを運営。 全国2,500社以上の審査済み業者と提携し、累計15万件以上の見積もり実績があります。

提携業者

2,500社以上

見積もり実績

15万件以上

満足度

97.8%

参照・引用元

  • 環境省-土壌汚染対策法
  • 都道府県-土壌汚染調査報告制度
  • 国土交通省-宅地建物取引業法(重要事項説明)

※ 各省庁の公開情報および当サイト提携業者からの提供データに基づき作成しています

更新履歴

  • 20261最新情報を確認・更新
  • 2025-12-17記事作成