土壌汚染モニタリングとは
モニタリングは、浄化対策後または封じ込め後に、汚染物質の濃度を定期的に測定し、浄化効果や汚染の拡散防止を確認する調査です。
モニタリングが必要なケース
- 原位置浄化実施後(浄化効果の確認)
- 封じ込め対策実施後(汚染の拡散防止確認)
- 形質変更時要届出区域での土地利用時
- 地下水汚染が確認された場合(汚染プルームの監視)
モニタリングの種類
1. 地下水モニタリング
観測井戸から定期的に地下水をサンプリングし、汚染物質濃度を測定します。
測定項目
- 浄化対策対象物質の濃度
- pH、EC(電気伝導率)
- 地下水位
測定頻度
| 段階 | 頻度 |
|---|---|
| 浄化直後(1年目) | 月1回 |
| 2〜3年目 | 3ヶ月に1回 |
| 4年目以降 | 半年に1回 |
| 安定期(基準値以下が継続) | 年1回 |
モニタリング井戸の配置
- 汚染源井戸:汚染の中心部に1〜2本
- 下流側井戸:地下水流向の下流側に2〜3本
- 上流側井戸:バックグラウンド(自然状態)確認用に1本
2. 土壌ガスモニタリング
VOC(揮発性有機化合物)汚染の場合、土壌ガスの濃度を定期測定します。
測定頻度
- 浄化直後:月1回
- 安定期:半年〜1年に1回
3. 地盤沈下モニタリング
掘削除去や揚水浄化を実施した場合、地盤沈下の有無を監視します。
- 水準測量で地表の高さを測定
- 周辺建物への影響確認
モニタリングの手順
ステップ1: モニタリング計画の策定
- 測定項目・頻度の設定
- 観測井戸の配置計画
- 管理基準値の設定(浄化目標値)
- モニタリング期間の設定(通常2〜10年)
ステップ2: 定期測定の実施
- 観測井戸から地下水サンプリング
- 分析機関へ送付
- 濃度測定結果の取得
- データベース記録
ステップ3: データ評価
- 時系列グラフで濃度推移を確認
- リバウンド(濃度再上昇)の有無を判定
- 浄化目標達成の判定
ステップ4: 報告・対応
- 都道府県への定期報告(年1回)
- 異常値検出時の追加調査・対策
モニタリング終了の基準
以下の条件を満たした場合、モニタリングを終了し、区域指定の解除を申請できます。
- 基準値以下が継続:2年以上連続で基準値以下
- 濃度の安定:濃度の上昇傾向がない
- 季節変動の確認:雨季・乾季での濃度変動を確認
- 都道府県の承認:自治体の確認調査で基準適合を確認
モニタリング費用・期間
費用の目安
- 地下水分析(1地点、5項目):5〜7万円/回
- 年間費用(3地点、年4回測定):60〜84万円
- 10年間の総費用:600〜840万円
期間の目安
| 浄化工法 | モニタリング期間 |
|---|---|
| 掘削除去 | 2〜3年 |
| 原位置浄化 | 5〜10年 |
| 封じ込め | 半永久的(土地利用が継続する限り) |
異常値検出時の対応
モニタリングで基準値超過や濃度上昇が検出された場合、以下の対応を実施します。
- 再測定:測定誤差の可能性を排除
- 追加調査:周辺の観測井戸で濃度分布を確認
- 原因究明:汚染源の残存、新たな流入、浄化設備の故障などを調査
- 追加対策:必要に応じて浄化対策を再実施
モニタリングの外部委託
長期モニタリングは専門業者への委託が一般的です。
委託業務の内容
- 定期サンプリング(月1回〜年1回)
- 分析機関への送付・分析依頼
- データ管理・報告書作成
- 都道府県への年次報告書提出
委託費用
- 年間委託費:100〜200万円(3地点、年4回測定の場合)
よくある質問
Qモニタリングは何年続ける必要がありますか?
浄化工法により異なりますが、通常2〜10年です。封じ込め対策の場合は、土地利用が継続する限り半永久的にモニタリングが必要です。
Qモニタリングを中断するとどうなりますか?
形質変更時要届出区域では、モニタリング義務違反となり、都道府県から指導・命令が出る可能性があります。また、汚染の再発や拡散を見落とすリスクがあります。
Qモニタリング費用は誰が負担しますか?
原則として、土地所有者または汚染原因者が負担します。浄化対策と同様、長期的な費用負担が必要です。
Qモニタリング終了後、観測井戸は撤去できますか?
はい。区域指定解除後、不要になった観測井戸は撤去可能です。ただし、将来的な再調査に備えて残すケースもあります。