調査方法

土壌汚染調査報告書の見方|重要項目と判定基準の読み解き方

更新: 2025-02-127分で読める2026年1月確認済み

土壌汚染調査報告書とは

土壌汚染調査報告書は、指定調査機関が作成する公式文書で、調査結果・汚染の有無・今後の対応をまとめたものです。A4版50〜200ページにわたる専門的な内容を理解するポイントを解説します。

報告書の基本構成

1. 調査概要

  • 調査対象地の所在地・面積
  • 調査の種類(法第3条、第4条、自主調査)
  • 調査実施期間
  • 調査機関名(指定番号)

2. フェーズ1(地歴調査)結果

  • 土地利用履歴の時系列表
  • 空中写真の比較図
  • 有害物質使用履歴
  • 汚染リスク評価(高・中・低)

3. フェーズ2(表層土壌調査)結果

  • 調査地点配置図
  • 分析結果一覧表
  • 基準値との比較
  • 基準不適合地点の特定

4. フェーズ3(詳細調査)結果

  • 汚染範囲の3次元マッピング
  • 汚染土壌の体積(m³)
  • 地下水汚染の有無と範囲

5. 結論・提言

  • 汚染の有無の結論
  • 要措置区域または形質変更時要届出区域への指定見込み
  • 推奨される浄化対策
  • 概算費用

重要項目の読み方

1. 分析結果一覧表の見方

報告書の中核となる表です。以下の項目を確認します。

調査地点物質名測定値基準値判定
A-10.025 mg/L0.01 mg/L以下不適合
A-20.005 mg/L0.01 mg/L以下適合

チェックポイント

  • 基準値超過の倍率:基準値の何倍か(倍率が高いほど浄化費用が高額)
  • 不適合地点の分布:広範囲か局所的か
  • 複数物質の検出:複合汚染の場合、浄化が複雑

2. 土壌溶出量と土壌含有量の違い

土壌溶出量(mg/L)

土壌を水で溶かした際に溶け出す汚染物質の濃度。地下水汚染のリスク指標です。

  • 溶出量基準超過 → 地下水汚染のおそれ → 要措置区域の可能性

土壌含有量(mg/kg)

土壌そのものに含まれる汚染物質の総量。直接摂取のリスク指標です。

  • 含有量基準超過 → 土壌の直接摂取リスク → 形質変更時要届出区域の可能性

3. 要措置区域と形質変更時要届出区域の違い

項目要措置区域形質変更時要届出区域
汚染状況地下水汚染または健康被害のおそれ汚染はあるが健康被害のおそれなし
浄化義務あり(命令)なし
土地利用制限厳しい軽微(届出のみ)
浄化費用義務(高額)任意

4. 汚染範囲の3次元マッピング

フェーズ3報告書には、汚染の平面図と断面図が記載されます。

確認ポイント

  • 汚染面積(m²):水平方向の広がり
  • 汚染深度(m):深さ方向の広がり
  • 汚染土壌体積(m³):掘削除去費用の算定基礎

判定結果の解釈

ケース1: 全地点で基準適合

  • 結論土壌汚染なし
  • 対応:都道府県へ報告(法定調査の場合)、区域指定なし
  • 不動産取引:汚染リスクなしとして取引可能

ケース2: 一部地点で基準不適合(溶出量基準超過)

  • 結論:土壌汚染あり(地下水汚染のおそれ)
  • 対応要措置区域に指定される可能性
  • 次のアクション:フェーズ3調査で汚染範囲を確定 → 浄化対策

ケース3: 一部地点で基準不適合(含有量基準のみ超過)

  • 結論:土壌汚染あり(直接摂取リスクのみ)
  • 対応:形質変更時要届出区域に指定
  • 次のアクション:浄化は任意(舗装などで直接摂取を防止)

報告書で確認すべき重要事項

1. 調査地点数は適切か

10m × 10mメッシュで適切に調査されているか確認します。地点数が少ない場合、汚染の見落としリスクがあります。

2. 分析項目は網羅されているか

25項目すべて分析されているか、またはフェーズ1の結果に基づき適切に絞り込まれているか確認します。

3. 指定調査機関の指定番号

法定調査では、環境大臣指定の調査機関のみが有効です。報告書に指定番号が記載されているか確認します。

報告書受領後のアクション

汚染なしの場合

  1. 都道府県へ報告(法定調査の場合)
  2. 報告書を不動産取引資料として活用

汚染ありの場合

  1. フェーズ3調査の実施(汚染範囲確定)
  2. 浄化対策の工法選定・費用見積もり
  3. 都道府県への措置計画書提出
  4. 浄化対策の実施
  5. モニタリング

よくある質問

Q報告書の有効期限はありますか?
A

法律上の有効期限はありませんが、不動産取引では直近(1年以内)の調査結果が求められることが多いです。数年前の報告書では、土地の現状と異なる可能性があります。

Q報告書の記載内容に疑問がある場合、どうすればよいですか?
A

調査機関に確認してください。また、セカンドオピニオンとして別の指定調査機関に報告書を見せ、評価を依頼することも可能です。

Q基準値ギリギリの数値の場合、再調査は必要ですか?
A

測定誤差を考慮し、再測定を推奨します。基準値の±10%以内の場合は、念のため追加調査を実施することで、判定の確実性が高まります。

Q報告書は誰が保管すべきですか?
A

土地所有者が保管します。不動産取引時には買主へ引き継がれます。また、法定調査の場合は都道府県にも提出され、公的記録として保管されます。

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この記事を書いた人

R

現場の窓口 編集部

運営: 合同会社Radineer

解体工事・アスベスト調査・土壌汚染調査・産業廃棄物処理の一括見積もりサービスを運営。 全国2,500社以上の審査済み業者と提携し、累計15万件以上の見積もり実績があります。

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見積もり実績

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満足度

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参照・引用元

  • 環境省-土壌汚染対策法
  • 都道府県-土壌汚染調査報告制度
  • 国土交通省-宅地建物取引業法(重要事項説明)

※ 各省庁の公開情報および当サイト提携業者からの提供データに基づき作成しています

更新履歴

  • 20261最新情報を確認・更新
  • 2025-02-12記事作成