法律・手続き

建物滅失登記の手続き|自分でできる?費用・必要書類・期限を解説

更新: 2025-01-1513分で読める2026年1月確認済み

建物滅失登記とは

建物を解体したら、「建物滅失登記」を法務局に申請する義務があります。解体後1ヶ月以内に申請する必要があり、怠ると10万円以下の過料が科される可能性があります。

建物滅失登記とは、建物を解体・焼失などにより物理的に存在しなくなった事実を、不動産登記簿に記録するための手続きです。不動産登記法第57条により、建物が滅失した日から1ヶ月以内に申請することが義務付けられています。

⚠️ 申請しないと罰則があります

建物滅失登記を期限内に申請しない場合、不動産登記法第164条により、10万円以下の過料が科される可能性があります。また、登記簿上に建物が残ったままだと、以下のような問題が発生します:

  • 固定資産税が課税され続ける
  • 土地の売却ができない(建物付きとして扱われる)
  • 新築の建築確認申請ができない
  • 住宅ローンの借り換え・抵当権設定ができない

建物滅失登記が必要なケース

  • 解体工事により建物を取り壊した場合(最も一般的)
  • 火災などで建物が焼失した場合
  • 自然災害(地震・台風など)で建物が倒壊した場合
  • 建物の一部を解体して別の建物として扱う場合(減築など)

申請期限と流れ

ステップ内容期限・所要時間
1. 解体工事完了解体業者から「建物取壊証明書」を受け取る解体完了後すぐ
2. 必要書類の準備証明書類を揃える1〜3日
3. 申請書の作成法務局指定の様式で作成1〜2日
4. 法務局へ申請管轄の法務局に提出(郵送可)解体後1ヶ月以内
5. 登記完了登記完了証を受け取る申請から1〜2週間

必要書類の詳細

1. 建物滅失登記申請書

法務局の窓口またはウェブサイトで入手できる所定の様式です。記載事項は以下の通り:

  • 登記の目的:「建物滅失」
  • 建物の所在地(地番)
  • 家屋番号
  • 取壊し年月日
  • 申請人の氏名・住所

💡 ポイント:地番と住居表示は異なります。登記簿謄本で地番を確認してください。

2. 建物取壊証明書(解体業者が発行)

解体工事を行った業者が作成する証明書です。解体業者の商号、代表者名、印鑑が押印されたものが必要です。

記載内容

  • 建物の所在地
  • 建物の種類・構造
  • 取壊し年月日
  • 解体業者の商号・所在地
  • 代表者氏名・印鑑

3. 解体業者の資格証明書(登記事項証明書または代表者事項証明書)

解体業者が法人の場合、会社の登記事項証明書(履歴事項全部証明書)が必要です。発行から3ヶ月以内のものを用意してください。

※個人事業主の場合は不要です。

4. 解体業者の印鑑証明書

解体業者が法人の場合は会社の印鑑証明書、個人事業主の場合は個人の印鑑証明書が必要です。こちらも3ヶ月以内に発行されたものを用意してください。

5. 建物の位置図(案内図)

取り壊した建物の所在地を示す地図です。住宅地図のコピーに建物の位置を赤枠で囲んで示すのが一般的です。Googleマップの印刷でも可能です。

6. 申請人の本人確認書類(窓口申請の場合)

運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど。郵送申請の場合は不要です。

7. 委任状(代理人が申請する場合)

土地家屋調査士などの専門家に依頼する場合や、相続人の一人が代表して申請する場合に必要です。

自分で申請する場合の手順

ステップ1:管轄法務局を調べる

建物の所在地を管轄する法務局を確認します。法務局のウェブサイトで「管轄のご案内」から検索できます。

ステップ2:申請書を作成する

法務局のウェブサイトから申請書の様式をダウンロードし、記入例を参考に作成します。記入は手書きでもパソコンでも可能です。

💡 記入のコツ

  • 地番は登記簿謄本で確認(住居表示ではありません)
  • 取壊し年月日は解体工事が完了した日
  • 申請人欄は所有者(登記名義人)の情報を記載
  • 押印は認印で可(実印不要)

ステップ3:解体業者から書類を受け取る

解体工事完了後、解体業者に以下の書類を依頼します:

  • 建物取壊証明書
  • 登記事項証明書(発行から3ヶ月以内)
  • 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)

⚠️ 注意:解体契約時に、これらの書類を無償で提供してもらえるか確認しましょう。一部の業者は有償の場合があります。

ステップ4:法務局に申請する

窓口申請:管轄法務局の窓口に書類を持参します。不備があればその場で指摘してもらえます。

郵送申請:書類一式を管轄法務局に郵送します。返信用封筒(切手貼付)を同封すると、登記完了証を郵送してもらえます。

ステップ5:登記完了

申請から1〜2週間で登記が完了します。登記完了証が交付されます。

土地家屋調査士に依頼する場合

費用相場

地域報酬相場
東京都23区4〜6万円
政令指定都市3.5〜5万円
地方都市3〜4.5万円

※上記は報酬額のみ。登記事項証明書・印鑑証明書の取得代行を依頼する場合は、実費(1通数百円)と手数料が別途かかります。

依頼するメリット

  • 時間の節約:平日に法務局へ行く必要がない
  • 確実性:専門家が書類を作成するため、不備による再申請のリスクがない
  • 複雑なケースに対応:相続登記が済んでいない、共有名義など複雑な場合も対応可能
  • アドバイス:次の建築計画などについて専門的な助言がもらえる

依頼するデメリット

  • 費用がかかる:3〜6万円の報酬が必要
  • 業者選びが必要:信頼できる土地家屋調査士を探す手間

よくあるトラブルと対処法

ケース1:解体業者と連絡が取れなくなった

問題:解体工事は完了したが、業者が倒産・廃業して必要書類がもらえない。

対処法

  • 解体業者が法人の場合:法務局で閉鎖事項証明書を取得し、それを添付して申請
  • 解体業者が個人の場合:上申書を作成し、工事写真や契約書などの証拠書類を添付して申請
  • 専門家(土地家屋調査士)に相談することを推奨

ケース2:相続登記が済んでいない

問題:被相続人名義のまま建物を解体してしまった。

対処法

  • 原則として、相続人全員の同意のもと、相続人の一人が代表して申請可能
  • 相続登記を先に済ませる必要はない(建物滅失登記は可能)
  • ただし、土地の売却などを予定している場合は、同時に相続登記も進めるべき

ケース3:共有名義の建物を解体した

問題:複数人の共有名義だが、全員の同意は取れている。

対処法

  • 共有者の一人が代表して申請可能
  • 他の共有者の委任状があればスムーズ(なくても可能)
  • 申請書には代表者の情報のみ記載すればOK

建物滅失登記後にすべきこと

1. 固定資産税の確認

建物滅失登記が完了すると、法務局から市区町村の税務課に通知されます。翌年度から建物の固定資産税は課税されなくなります。

⚠️ 注意:土地の固定資産税は、住宅用地の特例(1/6軽減)がなくなるため、最大6倍に上がります。

2. 新築の準備(建て替えの場合)

建物滅失登記が完了すると、同じ敷地に新しい建物を建築できます。建築確認申請の際には、建物滅失登記が完了していることが条件となる場合があります。

3. 土地の売却手続き(売却する場合)

更地になった土地を売却する場合、買主や不動産業者から「建物滅失登記が完了していること」を求められます。登記完了証のコピーを準備しておきましょう。

費用まとめ

項目自分で申請専門家に依頼
登録免許税0円0円
登記事項証明書600円600円
印鑑証明書450円450円
郵送費1,000円程度
専門家報酬3〜6万円
合計約2,000円約3.2〜6.2万円

チェックリスト

✅ 建物滅失登記の手続きチェックリスト

  • □ 解体工事完了後、解体業者から「建物取壊証明書」を受け取った
  • □ 解体業者の登記事項証明書(3ヶ月以内)を受け取った
  • □ 解体業者の印鑑証明書(3ヶ月以内)を受け取った
  • □ 管轄法務局を確認した
  • □ 建物滅失登記申請書を作成した
  • □ 建物の位置図を準備した
  • □ 法務局に申請した(解体後1ヶ月以内)
  • □ 登記完了証を受け取った
  • □ 翌年度の固定資産税が正しく計算されているか確認した

まとめ

建物滅失登記は、自分で申請すれば実費2,000円程度、専門家に依頼しても3〜6万円程度で完了します。申請自体は難しくありませんが、平日に法務局へ行く時間が取れない場合や、相続登記が済んでいないなど複雑なケースでは、土地家屋調査士に依頼する方が確実です。

いずれにせよ、解体後1ヶ月以内に申請することが法律で義務付けられているため、早めに準備を進めましょう。

よくある質問

Q建物滅失登記は誰がしますか?
A

建物の所有者(登記名義人)が申請します。

Q解体業者が建物滅失登記をしてくれますか?
A

解体業者は「建物取壊証明書」を発行しますが、登記申請自体は行いません。

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この記事を書いた人

R

現場の窓口 編集部

運営: 合同会社Radineer

解体工事・アスベスト調査・土壌汚染調査・産業廃棄物処理の一括見積もりサービスを運営。 全国2,500社以上の審査済み業者と提携し、累計15万件以上の見積もり実績があります。

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見積もり実績

15万件以上

満足度

97.8%

参照・引用元

  • 国土交通省-建設リサイクル法、解体工事業登録制度
  • 環境省-アスベスト事前調査、産業廃棄物処理
  • 各自治体-空き家解体補助金制度

※ 各省庁の公開情報および当サイト提携業者からの提供データに基づき作成しています

更新履歴

  • 20261最新情報を確認・更新
  • 2025-01-15記事作成