基礎知識

【2026年】動植物性残さの産業廃棄物処理|該当業種と費用・リサイクル

最終更新: 2026年5月24日10分で読める2026年1月確認済み

動植物性残さはどう処理すればいいですか?

動植物性残さは食料品・医薬品・香料製造業から出る原料由来の固形物で、「動植物性残さ」の許可を持つ業者へ委託して処理します。有機物に富むため、肥料化・飼料化・メタン発酵などのリサイクルが推奨され、食品リサイクル法でも再生利用が促されます。委託時はマニフェストで最終処分・再生利用まで確認します。

この記事の結論

動植物性残さは食料品・医薬品・香料製造業から原料由来で出る固形物に限定された産業廃棄物です。飲食店や小売店の食品ごみ(事業系一般廃棄物)とは区分が異なります。肥料化・飼料化・メタン発酵などのリサイクルが可能で、処理費は1トンあたり1.5万〜4万円が目安です。

この記事でわかること

  • 動植物性残さは食料品・医薬品・香料の「製造業」に業種が限定される品目
  • 飲食店・小売店の食品ごみは原則として事業系一般廃棄物で別区分
  • ビール・醤油の製造かす、でんぷんかす、魚あらなどが典型例
  • 肥料化・飼料化(エコフィード)・メタン発酵などのリサイクルが可能
  • 食品リサイクル法で発生抑制と再生利用が促進される
  • 処理費は1トンあたり1.5万〜4万円が目安+収集運搬費(含水率で変動)

動植物性残さの産業廃棄物処理とは

動植物性残さとは、食料品製造業・医薬品製造業・香料製造業において原料として使用した動物または植物に係る固形状の不要物を指す産業廃棄物です。ビールや醤油の製造かす、でんぷんかす、魚あらなどが該当し、対象業種が法令で限定されている点が特徴です。

食品工場やビール工場、味噌・醤油の醸造所などからは、原料として使った動物や植物の残りかすが大量に発生します。これらは「動植物性残さ」という産業廃棄物の一品目ですが、実はすべての食品系廃棄物が該当するわけではありません。飲食店の食べ残しや小売店の売れ残りとは扱いが異なり、誤って分類すると委託契約やマニフェストで不適正処理とみなされるおそれがあります。本記事では、排出事業者が押さえておくべき動植物性残さの定義・該当業種・リサイクル・費用相場を、2026年時点の制度に沿って整理します。

動植物性残さとは|定義と産業廃棄物としての位置づけ

動植物性残さは産業廃棄物20種類の一つですが、対象となる業種が法令で限定されている点に大きな特徴があります。まずはその定義を正しく理解しましょう。

動植物性残さの定義

動植物性残さとは、食料品製造業、医薬品製造業、香料製造業において、原料として使用した動物または植物に係る固形状の不要物を指します。つまり、これらの製造業で原料を加工する過程で出る固形のかすが対象です。具体的には、ビールや日本酒の製造かす、醤油・味噌の搾りかす、でんぷんかす、果実の搾りかす、魚のあらなどが該当します。事業活動に伴って発生するため産業廃棄物に区分され、排出事業者の責任で適正に処理する必要があります。

業種が限定されている理由

動植物性残さは、廃棄物処理法施行令で「特定の3業種から出るもの」に限定された品目です。同じように見える食品系の廃棄物でも、対象業種以外から出るものはこの品目には当たりません。この業種限定があるため、自社の事業がどの業種に分類されるかを最初に確認することが重要です。製造業であっても、対象外の工程から出る廃棄物は別の品目(汚泥や廃油など)になる場合があり、品目の取り違えは委託契約の不備につながります。

📊 データソース: 環境省 産業廃棄物の適正処理における産業廃棄物の種類区分に基づく。

食品廃棄物・事業系一般廃棄物との違い

動植物性残さは「食品廃棄物」と混同されがちですが、両者は法令上まったく異なる扱いです。この違いを誤ると、本来必要な委託先や手続きを誤ってしまいます。

飲食店・小売店の食品ごみは該当しない

飲食店の食べ残しや調理くず、スーパー・コンビニの売れ残り食品は、動植物性残さではなく「事業系一般廃棄物」に区分されるのが原則です。動植物性残さはあくまで食料品・医薬品・香料の「製造業」から原料由来で出る固形物に限られるため、製造業以外の食品ごみは対象外です。事業系一般廃棄物は市区町村の許可業者へ委託するルートになり、産業廃棄物とは処理経路が異なります。

品目の判断に迷ったときの考え方

自社の食品系廃棄物が動植物性残さに当たるかは、「業種」と「原料由来の固形物か」の2点で判断します。製造業の原料加工で出る固形かすであれば動植物性残さ、製造工程の排水処理で出るものは汚泥、廃食用油は廃油、というように発生工程ごとに区分が変わります。判断に迷う場合は自治体の産業廃棄物担当窓口に確認するのが確実です。誤った区分のまま委託すると、許可品目との不一致による不適正処理を問われるおそれがあります。

動植物性残さの具体例と発生する業種

動植物性残さは身近な食品の製造現場から幅広く発生します。代表的な例を業種別に見ておくと、自社の廃棄物の分類がイメージしやすくなります。

食料品製造業から出るもの

食料品製造業は動植物性残さの最大の発生源です。ビール・日本酒・焼酎の製造かす、醤油・味噌の搾りかす、でんぷん製造のかす、果汁・ジュースの搾りかす、水産加工の魚あらなどが典型例です。製パンや製菓、缶詰・冷凍食品の製造過程でも、原料の植物・動物に由来する固形の不要物が発生します。これらは水分や有機分を多く含み腐敗しやすいため、発生後は速やかな処理やリサイクルが求められます。

医薬品・香料製造業から出るもの

医薬品製造業では、生薬や植物由来原料を抽出・精製した後の植物残さや動物組織のかすが動植物性残さに当たります。香料製造業でも、花・果実・植物などの天然原料から香料成分を抽出した後の固形残さが該当します。これらは食料品製造業に比べると発生量は少ないものの、業種限定の対象に明確に含まれているため、産業廃棄物として適正に処理する必要があります。原料の性質によっては腐敗や臭気の管理も重要になります。

リサイクルの方法|肥料・飼料・エネルギー

動植物性残さは有機物に富むため、廃棄するより資源として循環させる価値が高い廃棄物です。多様なリサイクルルートが確立されています。

肥料化・飼料化

動植物性残さの代表的なリサイクルが、堆肥などの肥料化と、家畜用飼料(エコフィード)への飼料化です。ビールかすや醤油かす、でんぷんかすなどは栄養価が高く、適切に加工すれば家畜飼料として再利用できます。野菜くずや果実かすは堆肥化に適しています。食品関連事業者には食品リサイクル法に基づく再生利用の努力が求められており、肥料化・飼料化はその中心的な手段です。

メタン発酵によるエネルギー回収

水分の多い動植物性残さは、メタン発酵(バイオガス化)によってエネルギーとして回収することもできます。微生物の働きで有機物を分解し、発生したバイオガスを発電や熱利用に活用する方法です。脱水・乾燥や焼却といった中間処理を経てから処分する従来のルートに比べ、エネルギー回収を伴うリサイクルは脱炭素の観点からも注目されています。発生量や成分に応じて、肥料化・飼料化・メタン発酵から最適なルートを選びます。

リサイクル方法 主な対象 用途
飼料化(エコフィード) ビールかす・でんぷんかす等 家畜用飼料
肥料化(堆肥) 野菜くず・果実かす等 農業用堆肥
メタン発酵 水分の多い残さ バイオガス(発電・熱)

食品リサイクル法と動植物性残さ

食品関連事業者から出る動植物性残さは、廃棄物処理法だけでなく食品リサイクル法の枠組みも関係します。両方の制度を理解しておくことが大切です。

食品リサイクル法の概要

食品リサイクル法(食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)は、食品の製造・加工・卸・小売・外食などの食品関連事業者に、食品廃棄物の発生抑制と再生利用を求める法律です。一定規模以上の事業者には再生利用等の実施率目標が定められており、肥料化・飼料化・メタン化などの取り組みが評価されます。動植物性残さは産業廃棄物であると同時に、この法律でいう食品循環資源にも該当するため、再生利用が強く促されます。

📊 データソース: 農林水産省 食品リサイクルにおける食品リサイクル法の再生利用等実施率目標に基づく。

発生抑制と再生利用の両立

制度が目指すのは、まず発生そのものを減らし、出てしまったものは可能な限り再生利用するという優先順位です。製造工程の見直しによる歩留まり改善や、副産物の用途開発は発生抑制につながります。やむを得ず発生した残さは、廃棄ではなくリサイクルルートに乗せることでコストと環境負荷の双方を抑えられます。自社の産業廃棄物処理の流れを一度見直し、再生利用に回せる量を増やせないか検討してみてください。

費用相場と委託手続きのポイント

動植物性残さの処理費用は、廃棄するかリサイクルするか、含水率や腐敗のしやすさによって変動します。委託の手順とあわせて押さえておきましょう。

処理費用の目安

動植物性残さを廃棄物として処理する場合の費用は、1トンあたりおおむね1.5万円〜4万円程度が目安で、別途収集運搬費がかかります。水分が多いものは脱水・乾燥などの中間処理が必要になり費用が上がりやすい一方、飼料化・肥料化のルートに乗せられる良質な残さは、廃棄より総額を抑えられる場合があります。実際の金額は品質や数量で大きく変わるため、必ず複数社で見積もりを取って比較しましょう。

マニフェストと委託の注意点

動植物性残さを委託処理する際は、「動植物性残さ」の許可を持つ業者と契約し、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付します。電子マニフェスト(JWNET)を使えば交付・保管の手間を減らせます。腐敗しやすい廃棄物のため、保管時の臭気・衛生対策にも配慮が必要です。委託先がリサイクルに対応しているか、処理フローを開示できるかを確認し、判断に迷う場合は処理方法を相談するとよいでしょう。詳しい制度は環境省の食品リサイクル情報も参考になります。

現場の窓口 編集部

解体工事・アスベスト調査・土壌汚染調査・産業廃棄物処理の専門情報を提供しています。

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よくある質問

Q動植物性残さとはどんな廃棄物ですか?
A

食料品製造業・医薬品製造業・香料製造業において、原料として使用した動物または植物に係る固形状の不要物を指す産業廃棄物です。ビールや醤油の製造かす、でんぷんかす、果実の搾りかす、魚あらなどが該当します。

Q飲食店や小売店の食品ごみも動植物性残さですか?
A

いいえ。飲食店の食べ残しや小売店の売れ残り食品は、原則として動植物性残さではなく事業系一般廃棄物に区分されます。動植物性残さは食料品・医薬品・香料の「製造業」から原料由来で出る固形物に限定されており、製造業以外の食品ごみは対象外です。

Q動植物性残さはリサイクルできますか?
A

できます。有機物に富むため、堆肥などの肥料化、家畜用飼料(エコフィード)への飼料化、メタン発酵によるバイオガス化など多様なリサイクルが可能です。食品リサイクル法でも再生利用が促されており、廃棄より資源循環が推奨されます。

Q動植物性残さの処理費用の相場はどのくらいですか?
A

廃棄物として処理する場合は1トンあたりおおむね1.5万円〜4万円程度が目安で、別途収集運搬費がかかります。水分が多く脱水・乾燥が必要だと費用は上がり、飼料化・肥料化に回せる良質な残さは廃棄より安く済む場合もあります。

Q食品リサイクル法とはどのような法律ですか?
A

食品の製造・加工・卸・小売・外食などの食品関連事業者に、食品廃棄物の発生抑制と再生利用を求める法律です。一定規模以上の事業者には再生利用等の実施率目標が定められ、肥料化・飼料化・メタン化などの取り組みが評価されます。

Q動植物性残さの委託で注意すべきことは何ですか?
A

「動植物性残さ」の処理許可を持つ業者と契約し、マニフェストを交付することが必要です。腐敗しやすいため保管時の臭気・衛生対策にも配慮し、リサイクルに対応できるか、処理フローを開示できるかを確認して業者を選びましょう。

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この記事のまとめ

動植物性残さは食料品・医薬品・香料製造業から原料由来で出る固形物に限定された産業廃棄物です。飲食店や小売店の食品ごみ(事業系一般廃棄物)とは区分が異なります。肥料化・飼料化・メタン発酵などのリサイクルが可能で、処理費は1トンあたり1.5万〜4万円が目安です。

この記事の監修者

Y

吉田 雄一

産業廃棄物管理・環境コンサルタント

特別管理産業廃棄物管理責任者廃棄物処理施設技術管理者建設副産物対策技術者

廃棄物処理法に基づくマニフェスト管理から適正処理の確認まで、コンプライアンスを重視した廃棄物管理体制の構築を支援。

この記事を書いた人

R

現場の窓口 編集部

運営: 合同会社Radineer

解体工事・アスベスト調査・土壌汚染調査・産業廃棄物処理の一括見積もりサービスを運営。 全国2,500社以上の審査済み業者と提携し、累計15万件以上の見積もり実績があります。

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更新履歴

  • 20266最新情報を確認・更新
  • 2026-05-24記事作成