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クリーニング業の産業廃棄物処理【溶剤・汚泥の適正処理】

更新: 2025-03-0611分で読める2026年1月確認済み

クリーニング業界の廃棄物処理の課題

クリーニング店、特にドライクリーニングを行う店舗からは有機溶剤を含む廃棄物が発生します。これらの廃棄物は環境への影響が大きく、法令に基づいた適正な処理が必要不可欠です。

近年、環境規制の強化により、従来使用されていたテトラクロロエチレン(パークロロエチレン)から、より環境負荷の低い石油系溶剤への転換が進んでいます。しかし、いずれの溶剤も適切な管理と処理が求められます。

クリーニング業から出る主な廃棄物

廃棄物産廃分類特管産廃該当注意点
使用済みドライ溶剤廃油引火点70℃未満の場合引火性廃油として特別管理
蒸留残渣(スラッジ)汚泥または廃油有害物質含有の可能性性状により分類が変わる
カートリッジフィルター汚泥溶剤含有で該当の場合溶剤付着のため適正処理
活性炭(吸着剤)汚泥溶剤吸着で該当の場合交換周期の管理が重要
ハンガー(金属製)金属くず該当なしリサイクル可能
ハンガー(プラ製)廃プラスチック該当なしリサイクル可能
包装用ビニール袋廃プラスチック該当なし大量発生、分別重要
ドライ機械洗浄廃液廃油引火性の場合定期メンテナンス時に発生

ドライクリーニング溶剤の種類と処理

1. テトラクロロエチレン(パーク)

  • 特徴:洗浄力が高く、不燃性
  • 規制:環境省の有害大気汚染物質に指定
  • 処理:専門の産廃業者による焼却または蒸留再生
  • PRTR法:年間使用量1トン以上で届出義務
  • 処理費用:80〜150円/kg

2. 石油系溶剤(シェルゾール、エコゾールなど)

  • 特徴:環境負荷が低く、近年主流に
  • 規制:引火点70℃未満の場合は特管産廃(引火性廃油)
  • 処理:蒸留再生または焼却処理
  • PRTR法:n-デカン等が対象(使用量1トン以上で届出)
  • 処理費用:50〜100円/kg

3. フッ素系溶剤

  • 特徴:不燃性で環境負荷が低い
  • 規制:特管産廃には該当しないが高価
  • 処理:蒸留再生が一般的
  • 処理費用:100〜200円/kg

PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)の届出

クリーニング業で使用する溶剤の多くはPRTR法の対象物質です。年間取扱量が1トン以上の場合、届出が義務付けられています。

PRTR届出の対象となる溶剤

化学物質名政令番号届出基準主な用途
テトラクロロエチレン186年間1トン以上ドライ溶剤
n-デカン134年間1トン以上石油系溶剤の成分
1-ブロモプロパン384年間1トン以上シミ抜き剤

PRTR届出の流れ

  1. 年間取扱量の集計:購入量と在庫変動から算出
  2. 排出量・移動量の算出:大気排出、廃棄物への移動を計算
  3. 届出書の作成:都道府県または政令市に提出
  4. 提出期限:毎年4月1日〜6月30日

溶剤のリサイクルとコスト削減

店内蒸留再生システム

ドライ機に付属する蒸留装置で、使用済み溶剤を再生して繰り返し使用できます。

  • メリット:溶剤購入費と廃棄費を削減
  • デメリット:蒸留残渣(スラッジ)が発生
  • コスト効果:溶剤購入費を70〜90%削減可能
  • 残渣処理費:10〜20kg/月程度発生、処理費1,000〜2,000円/kg

溶剤回収業者の活用

使用済み溶剤を回収業者に委託し、専門施設で再生処理する方法もあります。

  • メリット:店内での蒸留作業不要、残渣処理も委託可能
  • 費用:回収・処理費として50〜100円/kg
  • 対応地域:業者により異なる、定期回収契約が一般的

クリーニング業の廃棄物処理費用相場

廃棄物種類処理方法費用相場発生頻度
使用済みドライ溶剤焼却または蒸留再生50〜150円/kg店内再生するため少量
蒸留残渣(スラッジ)産廃処理100〜200円/kg月1〜2回、10〜20kg/回
カートリッジフィルター産廃処理200〜400円/本3〜6ヶ月に1回交換
活性炭産廃処理80〜150円/kg年1〜2回、20〜50kg/回
ハンガー(金属)リサイクル買取または無料回収継続的に少量
包装用ビニール産廃処理30〜50円/kg毎日大量発生

法令遵守のためのチェックリスト

日常管理

  • □ 溶剤の購入量・使用量を記録
  • □ 廃棄物の保管場所に掲示板を設置
  • □ 溶剤タンクに内容物表示
  • □ 蒸留残渣を専用容器で密閉保管
  • □ 換気設備の適切な稼働

業者委託時

  • □ 産廃処理業の許可証(写し)を保管
  • □ 委託契約書を締結(5年間保存)
  • □ マニフェストを交付(5年間保存)
  • □ マニフェストの返送確認(E票まで)
  • □ 処理施設の現地確認(年1回推奨)

届出関係

  • □ PRTR届出(年1回、6月末まで)
  • □ 特管産廃管理責任者の設置(該当する場合)
  • □ 産廃処理計画書・実績報告(多量排出事業者の場合)

よくあるトラブルと対策

ケース1:蒸留残渣が大量に発生してコスト増

原因:溶剤の劣化が早い、フィルター交換を怠っている

対策:フィルターをこまめに交換、溶剤の品質管理を徹底

ケース2:PRTR届出を忘れていた

原因:年間使用量の把握不足

対策:毎月の購入量を記録し、年度末に集計する習慣をつける

ケース3:処理業者の許可が切れていた

原因:許可証の有効期限を確認していなかった

対策:年1回、取引業者の許可証を更新時に再取得

環境配慮型クリーニングへの転換

ウェットクリーニングの導入

水を使用するウェットクリーニングは、溶剤廃棄物が発生しない環境配慮型の方法です。

  • メリット:溶剤廃棄物ゼロ、規制対象外
  • デメリット:技術習得が必要、対応できない衣類もある
  • コスト:初期投資は必要だが、ランニングコストは低い

液化CO2クリーニング

液化二酸化炭素を使用する最先端の方法です。

  • メリット:環境負荷ゼロ、廃棄物なし
  • デメリット:設備投資が高額(数千万円)
  • 普及状況:大手チェーンで導入が進む

小規模店向けの廃棄物管理

個人店舗での実践ポイント

  • 溶剤管理:購入・使用量を簡易ノートで記録
  • 蒸留残渣:ペール缶で保管、月1回まとめて処理委託
  • 業者選定:地域の溶剤回収業者と定期契約
  • コスト削減:複数店舗で共同委託すれば単価交渉可能

月間廃棄物処理費の目安(小規模店)

処理台数規模月間処理費内訳
1〜2台5,000〜15,000円蒸留残渣10kg、フィルター等
3〜5台15,000〜30,000円蒸留残渣30kg、フィルター等
6〜10台30,000〜60,000円蒸留残渣50kg、活性炭等含む

まとめ:クリーニング業の廃棄物管理3原則

  1. 法令遵守:PRTR届出、特管産廃の適正処理を徹底
  2. 溶剤リサイクル:蒸留再生で購入費と廃棄費を削減
  3. 環境配慮:ウェットクリーニング等の導入を検討

クリーニング業の廃棄物は環境への影響が大きいため、適正な処理が必須です。法令を遵守しつつ、溶剤のリサイクルでコスト削減も実現しましょう。

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よくある質問

Qドライクリーニング溶剤は特管産廃ですか?
A

引火点70℃未満の溶剤は特別管理産業廃棄物(引火性廃油)です。テトラクロロエチレンは引火点がないため通常の産廃ですが、有害物質として規制があります。

Q溶剤を蒸留した残渣の処理は?
A

蒸留残渣は汚泥または廃油として産廃処理します。有害物質を含む可能性があるため、分析が必要な場合もあります。

QPRTR届出の対象になる溶剤は?
A

テトラクロロエチレン、石油系溶剤(n-デカン等)が対象です。年間使用量が1トン以上の場合に届出が必要です。

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この記事を書いた人

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現場の窓口 編集部

運営: 合同会社Radineer

解体工事・アスベスト調査・土壌汚染調査・産業廃棄物処理の一括見積もりサービスを運営。 全国2,500社以上の審査済み業者と提携し、累計15万件以上の見積もり実績があります。

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見積もり実績

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満足度

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参照・引用元

  • 環境省-廃棄物処理法、マニフェスト制度
  • 都道府県-産業廃棄物処理業許可制度
  • 国土交通省-建設リサイクル法

※ 各省庁の公開情報および当サイト提携業者からの提供データに基づき作成しています

更新履歴

  • 20261最新情報を確認・更新
  • 2025-03-06記事作成