建設廃棄物とは?
建設廃棄物とは、建設工事(新築、解体、リフォームなど)に伴って発生する廃棄物の総称です。産業廃棄物20種類のうち、以下の品目が該当します。
建設現場から出る主な産業廃棄物
1. がれき類
- 内容: コンクリート破片、アスファルト破片、レンガくず
- 処理方法: 破砕後、再生砕石として道路工事などに利用
- 費用目安: 3,000〜6,000円/m³
- 注意点: 建設リサイクル法でリサイクルが義務付けられている
2. 木くず
- 内容: 建築廃材、型枠、足場材
- 処理方法: チップ化(リサイクル)、焼却
- 費用目安: チップ化可能: 8〜20円/kg、汚れあり焼却: 30円/kg〜
- 注意点: 塗装やクレオソート処理された木材は有害物質として処理費が高額
3. 廃プラスチック類
- 内容: ビニールシート、発泡スチロール、配管、サッシ
- 処理方法: リサイクル(ペレット化)、焼却、安定型処分場へ埋立
- 費用目安: リサイクル可能: 3〜10円/kg、汚れあり焼却: 20〜40円/kg
4. 金属くず
- 内容: 鉄筋、鉄骨、アルミサッシ、銅線
- 処理方法: リサイクル(溶融、再生)
- 特徴: 有価物として買い取ってもらえる場合も(鉄くず: 3〜5万円/トン)
5. ガラスくず・陶磁器くず
- 内容: 窓ガラス、陶器製タイル、便器
- 処理方法: 破砕後、再生骨材として利用、または安定型処分場へ埋立
6. 紙くず(建設業限定で産廃)
- 内容: 壁紙、段ボール、包装紙
- 処理方法: リサイクル、焼却
- 注意点: 建設業から出る紙くずは産業廃棄物(オフィスから出る紙くずは一般廃棄物)
7. 繊維くず(建設業限定で産廃)
- 内容: カーペット、畳、布クロス
- 処理方法: 焼却、埋立
8. 石膏ボード
- 分類: ガラスくず・陶磁器くず(または「その他」)
- 処理方法: 管理型処分場へ埋立(硫化水素発生のリスクがあるため、安定型不可)
- 費用目安: 15〜30円/kg(管理型処分のため高額)
- 注意点: 他の廃棄物と混ぜてはいけない(建設リサイクル法)
建設リサイクル法とは?
正式名称「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」。一定規模以上の建設工事で、特定建設資材(コンクリート、アスファルト、木材)のリサイクルを義務付けた法律です。
対象工事(規模要件)
- 解体工事: 延床面積 80㎡以上
- 新築・増築工事: 延床面積 500㎡以上
- リフォーム工事: 請負代金 1億円以上
届出義務
工事着手の7日前までに都道府県知事に届出が必要です。違反すると、20万円以下の罰金が科されます。
現場での分別ルール
建設現場では、発生段階から分別(現場分別)することが重要です。混合廃棄物として処理すると、処分費が跳ね上がります。
分別のポイント
- 品目ごとにコンテナを分ける: がれき、木くず、廃プラ、金属くずなど
- 石膏ボードは必ず単独で: 他のものと混ぜると管理型処分になり、すべて高額に
- 汚れたものは別に: 塗料やアスファルトが付着した木材は、リサイクル不可
マニフェスト(産業廃棄物管理票)の書き方
建設現場では、排出場所ごと、品目ごと、運搬先ごとにマニフェストを交付する必要があります。
建設現場特有の注意点
- 元請業者が交付義務者: 下請け業者が廃棄物を出しても、元請業者がマニフェストを交付
- 現場名を正確に記載: 「○○市△△町1-2-3 ××ビル解体工事」など
- 混合廃棄物の場合: 「混合廃棄物(がれき、木くず、廃プラ)」と全品目を記載
処理費用の目安(2025年版)
建設廃棄物の処理費用は、地域や処理業者によって幅がありますが、目安は以下の通りです。
| 品目 | 単位 | 費用目安(処理費のみ) |
|---|---|---|
| がれき類(コンクリート) | m³ | 3,000〜6,000円 |
| 木くず(チップ化可能) | kg | 8〜20円 |
| 木くず(汚れあり・焼却) | kg | 30〜50円 |
| 廃プラスチック(リサイクル可) | kg | 3〜10円 |
| 廃プラスチック(汚れあり・焼却) | kg | 20〜40円 |
| 石膏ボード | kg | 15〜30円 |
| 混合廃棄物 | kg | 50円以上 |
※上記に加えて、運搬費(1台あたり2〜5万円)が別途かかります。
費用削減のポイント
- 徹底分別: 混合廃棄物にしない。現場で分別するだけで処理費が半額以下になることも
- 金属くずの売却: 鉄くず、銅線は有価物として買い取ってもらえる
- リサイクル業者の活用: 最終処分場よりもリサイクル業者の方が安いケースが多い
- 複数社から見積もり: 処理費は業者によって大きく異なる
違反すると?罰則規定
- マニフェスト不交付: 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
- 建設リサイクル法違反(届出義務違反): 20万円以下の罰金
- 不法投棄: 5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(法人は3億円以下)
よくある質問
Q混合廃棄物として処理してはいけないのですか?
法律上は可能ですが、処理費が非常に高額になります(50円以上/kg)。現場で分別すれば、品目ごとの適正価格(10〜30円/kg程度)で処理できるため、分別が強く推奨されます。
Q元請業者がマニフェストを交付しない場合、下請けはどうすればいいですか?
元請業者に交付を求め、それでも交付されない場合は都道府県の担当部局に通報してください。下請け業者が勝手にマニフェストを交付すると、法律違反(無許可業者への委託)になる可能性があります。
Q建設リサイクル法の届出を忘れた場合、工事を中止しなければなりませんか?
届出を怠ったまま工事を進めると、法律違反として罰金の対象になります。すぐに届出を行い、自治体の指導に従ってください。悪質な場合は工事停止命令が出ることもあります。
Q石膏ボードはなぜ他の廃棄物と混ぜてはいけないのですか?
石膏ボードは水分と反応すると硫化水素(有毒ガス)を発生させる恐れがあるため、安定型処分場への埋立が禁止されています。他のものと混ぜると、すべて管理型処分(高額)になってしまうため、単独で分別することが重要です。
Q建設現場から出る生ごみ(作業員の弁当空き容器など)も産業廃棄物ですか?
プラスチック製容器は「廃プラスチック類」として産業廃棄物です。食べ残しは一般廃棄物です。実務上は、事業系一般廃棄物として処理するケースが多いですが、自治体によって運用が異なるため確認が必要です。