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IT・電子機器の産業廃棄物処理【サーバー・基板・電子部品の処理】

更新: 2025-03-0811分で読める2026年1月確認済み

IT・電子機器廃棄物の現状

IT企業やデータセンターからは電子機器廃棄物(e-waste)が日々大量に発生します。企業のDX推進により機器の更新サイクルが短縮化し、廃棄物量は年々増加傾向にあります。

電子機器廃棄物はデータセキュリティレアメタル回収の両面から適切な処理が求められます。処理を誤ると情報漏洩のリスクだけでなく、貴重な資源の損失にもつながります。

IT業界から出る主な廃棄物

廃棄物産廃分類処理方法留意点
サーバー機器金属くず・廃プラデータ消去後リサイクル機密情報の確実な消去
HDD/SSD金属くず物理破壊またはデータ消去完全消去証明書の取得
基板・マザーボード金属くずレアメタル回収リサイクル金・銀・パラジウム含有
ケーブル類金属くず・廃プラ銅回収リサイクル種類別に分別で価値向上
リチウムイオンバッテリー金属くず専門業者でリサイクル発火リスクに注意
UPS(無停電電源)金属くず鉛蓄電池は別途処理バッテリー部分は特管産廃
モニター・ディスプレイ金属くず・ガラスくず液晶はリサイクル水銀含有のものは要注意
ネットワーク機器金属くず・廃プラデータ消去後リサイクル設定情報の完全消去

データ消去の重要性と方法

電子機器を廃棄する際、データ消去は法的義務です。個人情報保護法、マイナンバー法などにより、データ漏洩は重大な法令違反となります。

データ消去の3つの方法

1. ソフトウェア消去(論理消去)

  • 方式:専用ソフトで全領域にランダムデータを上書き
  • 準拠規格:米国国防総省方式(DoD 5220.22-M)、NIST SP800-88など
  • メリット:機器を再利用可能、コストが安い
  • デメリット:故障HDDには適用不可
  • 費用目安:1台500〜2,000円

2. 物理破壊

  • 方式:プラッター(記録盤)に穴あけ、または専用シュレッダーで粉砕
  • メリット:確実性が高い、故障機器にも対応
  • デメリット:再利用不可、廃棄コスト増
  • 費用目安:1台1,000〜3,000円

3. 磁気消去(デガウス)

  • 方式:強力な磁場でデータを完全消去
  • メリット:短時間で処理可能
  • デメリット:SSDには効果なし、機器は使用不可に
  • 費用目安:1台800〜2,500円

データ消去証明書の必要性

処理業者からデータ消去証明書を必ず取得してください。ISO27001認証やPマーク更新の監査で提示を求められます。証明書には以下の情報が記載されているべきです:

  • シリアルナンバー(機器特定情報)
  • 消去方法と準拠規格
  • 消去実施日時
  • 処理担当者と責任者名

レアメタル回収とリサイクル

電子基板には貴重なレアメタル(希少金属)が含まれています。適切にリサイクルすれば、処理費用がゼロ、または買取対象となることもあります。

基板に含まれる主なレアメタル

金属含有率用途買取価格の目安
金(Au)0.03〜0.05%接点、配線高品質基板なら買取可
銀(Ag)0.1〜0.2%配線、はんだ大量なら買取可
銅(Cu)10〜20%配線、基材買取対象
パラジウム(Pd)微量コンデンサ専門業者のみ
タンタル(Ta)微量コンデンサ専門業者のみ

買取対象となる電子機器

  • サーバー基板:金含有率が高く、1kg あたり500〜2,000円で買取されることも
  • 通信機器基板:状態が良ければ買取対象
  • 銅線・ケーブル:1kg あたり200〜600円(銅相場により変動)
  • 完動品サーバー:中古市場で売却も可能

IT機器の処理費用相場

機器種類処理方法費用相場備考
サーバー(データ消去込み)リサイクル5,000〜20,000円/台大量の場合は買取も
デスクトップPCリサイクル1,000〜3,000円/台データ消去証明付き
ノートPCリサイクル500〜2,000円/台バッテリー別途処理の場合も
HDD物理破壊破壊処理1,000〜3,000円/台証明書込み
SSDデータ消去+破壊1,500〜4,000円/台完全消去が困難なため破壊推奨
UPSリサイクル3,000〜8,000円/台鉛蓄電池は別料金
ネットワーク機器リサイクル500〜3,000円/台設定消去込み
モニターリサイクル500〜2,000円/台液晶・CRTで異なる

リチウムイオンバッテリーの処理

ノートPCやモバイル機器のバッテリーは発火リスクがあるため、特に注意が必要です。

安全な処理手順

  1. 機器から取り外す:膨張や破損がある場合は専門業者に相談
  2. 端子部分を絶縁:テープで端子をカバーしショート防止
  3. 専用容器で保管:金属容器は避け、不燃性の容器を使用
  4. 速やかに処理委託:長期保管は危険

リチウムイオンバッテリーは資源有効利用促進法の対象です。メーカーまたは一般社団法人JBRCの回収拠点に持ち込むことも可能です。

データセンター閉鎖時の大量廃棄

データセンターの統廃合や移転時には、数百台〜数千台規模の機器廃棄が発生します。

大量廃棄時のポイント

  • 早期計画:3〜6ヶ月前から業者選定を開始
  • 相見積もり:大量案件では価格交渉の余地が大きい
  • オンサイト処理:現地でデータ消去・破壊を行うサービスも
  • 資産管理との連携:固定資産台帳と照合しながら処理
  • 完了報告書:監査対応のため詳細な処理報告書を取得

法令遵守とコンプライアンス

関連する主な法令

  • 廃棄物処理法:産業廃棄物としての適正処理義務
  • 個人情報保護法:個人情報の安全管理措置
  • マイナンバー法:特定個人情報の適切な廃棄
  • 資源有効利用促進法:PCリサイクルの義務
  • バーゼル条約:電子機器の海外輸出規制

処理業者選定のチェックリスト

  • □ 産業廃棄物処理業の許可を保有(都道府県発行)
  • □ データ消去サービスの実績が豊富
  • □ ISO27001(情報セキュリティ)認証取得
  • □ プライバシーマーク取得
  • □ 処理施設の見学が可能
  • □ 消去証明書・処理証明書を発行
  • □ 賠償責任保険に加入
  • □ 優良産廃処理業者認定(あればなお良い)

コスト削減のテクニック

1. リユース市場の活用

まだ使用可能なサーバーや機器は、中古IT機器市場で売却できる場合があります。データ消去後、買取業者に査定を依頼しましょう。

2. まとめて処理

少量ずつ処理するより、年に1〜2回まとめて処理する方が単価が下がります。ただし保管スペースと情報漏洩リスクのバランスを考慮してください。

3. 有価物としての売却

基板やケーブルなど、金属含有率が高いものは「廃棄物」ではなく「有価物」として売却すれば、処理費用がかかりません。

4. メーカー回収サービスの利用

PCメーカーの多くは自社製品の回収サービスを提供しています。PCリサイクルマークがあれば無料回収の対象です。

よくあるトラブルと対処法

ケース1:データ消去証明書が発行されない

対処法:契約前に証明書のサンプルを確認し、発行を契約書に明記しましょう。

ケース2:処理業者が無許可だった

対処法:契約前に許可証の写しを取得し、都道府県のWebサイトで許可番号を確認してください。

ケース3:処理後に機器が転売されていた

対処法:物理破壊を選択するか、リサイクル専門業者(転売しない)を選定してください。

まとめ:IT機器廃棄の3つのポイント

  1. データ消去は必須:証明書を取得し、監査に備える
  2. 許可業者に委託:産廃処理業の許可とISO27001認証を確認
  3. レアメタル回収で費用削減:リサイクル業者を活用し、買取も検討

IT機器の廃棄は情報セキュリティと環境保護の両面で重要な業務です。信頼できる処理業者を選び、適切な処理を行いましょう。

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よくある質問

Qデータ消去証明書は法的に必要ですか?
A

法的義務はありませんが、個人情報保護法の観点から取得を強く推奨します。監査対応にも必要です。

Qサーバーの処理費用は?
A

データ消去込みで1台5,000〜20,000円程度です。大量の場合は買取対象になることもあります。

Qリチウムイオンバッテリーの処理は?
A

発火リスクがあるため、専門の処理業者に委託してください。リサイクル法の対象となる場合もあります。

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この記事を書いた人

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現場の窓口 編集部

運営: 合同会社Radineer

解体工事・アスベスト調査・土壌汚染調査・産業廃棄物処理の一括見積もりサービスを運営。 全国2,500社以上の審査済み業者と提携し、累計15万件以上の見積もり実績があります。

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参照・引用元

  • 環境省-廃棄物処理法、マニフェスト制度
  • 都道府県-産業廃棄物処理業許可制度
  • 国土交通省-建設リサイクル法

※ 各省庁の公開情報および当サイト提携業者からの提供データに基づき作成しています

更新履歴

  • 20261最新情報を確認・更新
  • 2025-03-08記事作成