手続き・届出

自主調査 vs 法定調査|土壌汚染調査の種類と選び方

最終更新: 2025年2月1日7分で読める2026年1月確認済み

自主調査と法定調査の違いは?

法定調査は土壌汚染対策法で義務付けられる調査で指定調査機関のみが実施でき、結果は行政に報告されます。自主調査は任意で行う調査で機関の制限や報告義務はありませんが、不動産取引の信頼性確保のため指定機関への依頼が推奨されます。

この記事の結論

土壌汚染調査には法律で義務付けられる「法定調査」と任意の「自主調査」があります。法定調査は指定調査機関が実施し結果は行政に報告されます。自主調査は非指定機関でも可能で報告義務はありませんが、不動産取引の信頼性確保のため指定機関への依頼が推奨されます。

この記事でわかること

  • 法定調査は指定調査機関のみ実施可能
  • 自主調査は非指定機関でも実施可能だが指定機関が推奨
  • 法定調査の結果は行政に報告される
  • 自主調査には報告義務なし(任意で区域指定申請可能)
  • 3,000m²未満でも3条・5条に該当すれば法定調査が必要
  • リスクが高い項目のみの調査で自主調査費用を削減可能

自主調査 vs 法定調査とは

法定調査とは土壌汚染対策法に基づき義務付けられる調査で、指定調査機関のみが実施できます。自主調査とは法的義務がない場合に任意で行う調査で、調査機関の制限や報告義務はありません。

土壌汚染調査の2つの種類

土壌汚染調査には、「法定調査(法律で義務付けられた調査)」と「自主調査(任意で行う調査)」の2種類があります。それぞれ目的や手続きが異なるため、状況に応じて選択する必要があります。

法定調査(土壌汚染対策法に基づく調査)

土壌汚染対策法(土対法)で義務付けられた調査です。以下の3つの契機で調査義務が発生します。

法第3条:有害物質使用特定施設の廃止時

  • 対象: メッキ工場、クリーニング店など、有害物質を使っていた施設
  • タイミング: 施設廃止の日から120日以内
  • 調査実施者: 環境大臣指定の「指定調査機関」のみ
  • 報告先: 都道府県知事

法第4条:一定規模以上の土地の形質変更時

  • 対象: 3,000㎡以上の土地の掘削・盛り土
  • タイミング: 工事着手の30日前まで
  • 届出義務: 都道府県知事に届出。知事が「汚染の恐れがある」と判断した場合に調査命令

法第5条:知事の命令による調査

  • 対象: 健康被害のおそれがある土地
  • タイミング: 知事の命令後、指定された期限内

法定調査のポイント

  • 必ず「指定調査機関」に依頼しなければならない
  • 調査結果は都道府県知事に報告
  • 基準値を超過した場合、「要措置区域」または「形質変更時要届出区域」に指定される
  • 台帳に記載され、インターネット等で公開される

自主調査(任意の調査)

法律の義務とは関係なく、土地所有者や購入希望者が自主的に行う調査です。

自主調査を行う目的

  • 不動産取引時のリスク回避: 売買前に汚染の有無を確認
  • 資産価値の証明: 「汚染なし」の証明で土地価値を維持
  • 環境CSR(企業の社会的責任): 自主的な環境対策として

自主調査のメリット

  • 調査範囲を自由に決められる: 全25項目ではなく、リスクが高い項目のみ調査できる
  • 調査機関を自由に選べる: 「指定調査機関」でなくても良い(ただし、信頼性確保のため指定機関に依頼するのが一般的)
  • 公開されない: 調査結果は公開されないため、プライバシーが保たれる

自主調査のデメリット

  • 法的効力がない: 調査結果は法的な証明にはならない
  • 費用は自己負担: 補助金制度がない場合が多い

自主調査と法定調査の違い(比較表)

項目 法定調査 自主調査
義務 法律で義務 任意
調査実施者 指定調査機関のみ 自由(指定機関が一般的)
調査範囲 25項目全て(原則) 自由に設定可能
報告先 都道府県知事 報告不要
公開 汚染が見つかった場合、台帳に記載・公開 公開されない
費用 土地所有者負担(補助金あり) 自己負担
罰則 義務違反で罰金・懲役 なし

どちらを選ぶべき?

法定調査が必要なケース

  • 有害物質使用施設の廃止時
  • 3,000㎡以上の土地の形質変更時
  • 知事から調査命令が出た場合

自主調査が推奨されるケース

  • 不動産売買前: 売主・買主双方がリスクを確認
  • 融資審査時: 金融機関から土壌調査を求められた場合
  • 相続前: 土地の価値を把握するため
  • 工場跡地・ガソリンスタンド跡地: リスクが高い土地の場合

自主調査の結果を法定調査に使える?

自主調査の結果を法定調査の代わりにすることはできません。ただし、自主調査で汚染が見つかった場合、申請すれば「区域指定」を受けることができます(任意の区域指定)。

費用の目安

法定調査(フェーズ1〜2)

  • フェーズ1(地歴調査): 30〜50万円
  • フェーズ2(表層土壌調査): 150〜400万円(25項目全て)

自主調査(簡易版)

  • フェーズ1(地歴調査): 10〜30万円
  • フェーズ2(特定項目のみ): 50〜150万円(リスクが高い5〜10項目のみ)

現場の窓口 編集部

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よくある質問

Q自主調査で汚染が見つかった場合、報告義務はありますか?
A

いいえ、自主調査の結果を報告する義務はありません。ただし、汚染が重大で健康被害のおそれがある場合、都道府県知事から調査命令(法第5条)が出る可能性があります。また、不動産売買時には告知義務があります。

Q法定調査を受けると、必ず区域指定されますか?
A

いいえ。調査の結果、基準値を超過しなければ区域指定されません。「汚染なし」と判定されれば、通常の土地として扱われます。

Q自主調査を指定調査機関に依頼するメリットは?
A

調査の信頼性が高く、将来的に法定調査が必要になった場合、自主調査の結果を参考資料として活用できます。また、不動産取引時にも「指定機関による調査」という証明が有利に働きます。

Q3,000㎡未満の土地なら法定調査は不要ですか?
A

法第4条(形質変更届出)の義務はありませんが、法第3条(有害物質使用施設の廃止)や第5条(知事の命令)に該当する場合は、面積に関わらず調査が必要です。また、自治体の条例で3,000㎡未満でも届出が必要な場合があります。

Q自主調査の費用を安く抑える方法はありますか?
A

全25項目ではなく、土地の過去の利用状況から「リスクが高い項目」のみを選んで調査することで、費用を大幅に削減できます。例えば、ガソリンスタンド跡地ならベンゼンや鉛、メッキ工場跡地なら六価クロムやシアンなど。

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この記事のまとめ

土壌汚染調査には法律で義務付けられる「法定調査」と任意の「自主調査」があります。法定調査は指定調査機関が実施し結果は行政に報告されます。自主調査は非指定機関でも可能で報告義務はありませんが、不動産取引の信頼性確保のため指定機関への依頼が推奨されます。

この記事の監修者

Y

吉田 雄一

土壌汚染調査・環境コンサルタント

土壌汚染調査技術管理者環境計量士地質調査技士

土壌汚染対策法に精通し、Phase1〜Phase3調査から浄化対策まで幅広い知見を持つ。不動産取引時の土壌調査コンサルティング実績多数。

この記事を書いた人

R

現場の窓口 編集部

運営: 合同会社Radineer

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更新履歴

  • 20263最新情報を確認・更新
  • 2025-02-01記事作成