法律・手続き

自主調査 vs 法定調査|土壌汚染調査の種類と選び方

更新: 2025-02-017分で読める2026年1月確認済み

土壌汚染調査の2つの種類

土壌汚染調査には、「法定調査(法律で義務付けられた調査)」と「自主調査(任意で行う調査)」の2種類があります。それぞれ目的や手続きが異なるため、状況に応じて選択する必要があります。

法定調査(土壌汚染対策法に基づく調査)

土壌汚染対策法(土対法)で義務付けられた調査です。以下の3つの契機で調査義務が発生します。

法第3条:有害物質使用特定施設の廃止時

  • 対象: メッキ工場、クリーニング店など、有害物質を使っていた施設
  • タイミング: 施設廃止の日から120日以内
  • 調査実施者: 環境大臣指定の「指定調査機関」のみ
  • 報告先: 都道府県知事

法第4条:一定規模以上の土地の形質変更時

  • 対象: 3,000㎡以上の土地の掘削・盛り土
  • タイミング: 工事着手の30日前まで
  • 届出義務: 都道府県知事に届出。知事が「汚染の恐れがある」と判断した場合に調査命令

法第5条:知事の命令による調査

  • 対象: 健康被害のおそれがある土地
  • タイミング: 知事の命令後、指定された期限内

法定調査のポイント

  • 必ず「指定調査機関」に依頼しなければならない
  • 調査結果は都道府県知事に報告
  • 基準値を超過した場合、「要措置区域」または「形質変更時要届出区域」に指定される
  • 台帳に記載され、インターネット等で公開される

自主調査(任意の調査)

法律の義務とは関係なく、土地所有者や購入希望者が自主的に行う調査です。

自主調査を行う目的

  • 不動産取引時のリスク回避: 売買前に汚染の有無を確認
  • 資産価値の証明: 「汚染なし」の証明で土地価値を維持
  • 環境CSR(企業の社会的責任): 自主的な環境対策として

自主調査のメリット

  • 調査範囲を自由に決められる: 全25項目ではなく、リスクが高い項目のみ調査できる
  • 調査機関を自由に選べる: 「指定調査機関」でなくても良い(ただし、信頼性確保のため指定機関に依頼するのが一般的)
  • 公開されない: 調査結果は公開されないため、プライバシーが保たれる

自主調査のデメリット

  • 法的効力がない: 調査結果は法的な証明にはならない
  • 費用は自己負担: 補助金制度がない場合が多い

自主調査と法定調査の違い(比較表)

項目 法定調査 自主調査
義務 法律で義務 任意
調査実施者 指定調査機関のみ 自由(指定機関が一般的)
調査範囲 25項目全て(原則) 自由に設定可能
報告先 都道府県知事 報告不要
公開 汚染が見つかった場合、台帳に記載・公開 公開されない
費用 土地所有者負担(補助金あり) 自己負担
罰則 義務違反で罰金・懲役 なし

どちらを選ぶべき?

法定調査が必要なケース

  • 有害物質使用施設の廃止時
  • 3,000㎡以上の土地の形質変更時
  • 知事から調査命令が出た場合

自主調査が推奨されるケース

  • 不動産売買前: 売主・買主双方がリスクを確認
  • 融資審査時: 金融機関から土壌調査を求められた場合
  • 相続前: 土地の価値を把握するため
  • 工場跡地・ガソリンスタンド跡地: リスクが高い土地の場合

自主調査の結果を法定調査に使える?

自主調査の結果を法定調査の代わりにすることはできません。ただし、自主調査で汚染が見つかった場合、申請すれば「区域指定」を受けることができます(任意の区域指定)。

費用の目安

法定調査(フェーズ1〜2)

  • フェーズ1(地歴調査): 30〜50万円
  • フェーズ2(表層土壌調査): 150〜400万円(25項目全て)

自主調査(簡易版)

  • フェーズ1(地歴調査): 10〜30万円
  • フェーズ2(特定項目のみ): 50〜150万円(リスクが高い5〜10項目のみ)

よくある質問

Q自主調査で汚染が見つかった場合、報告義務はありますか?
A

いいえ、自主調査の結果を報告する義務はありません。ただし、汚染が重大で健康被害のおそれがある場合、都道府県知事から調査命令(法第5条)が出る可能性があります。また、不動産売買時には告知義務があります。

Q法定調査を受けると、必ず区域指定されますか?
A

いいえ。調査の結果、基準値を超過しなければ区域指定されません。「汚染なし」と判定されれば、通常の土地として扱われます。

Q自主調査を指定調査機関に依頼するメリットは?
A

調査の信頼性が高く、将来的に法定調査が必要になった場合、自主調査の結果を参考資料として活用できます。また、不動産取引時にも「指定機関による調査」という証明が有利に働きます。

Q3,000㎡未満の土地なら法定調査は不要ですか?
A

法第4条(形質変更届出)の義務はありませんが、法第3条(有害物質使用施設の廃止)や第5条(知事の命令)に該当する場合は、面積に関わらず調査が必要です。また、自治体の条例で3,000㎡未満でも届出が必要な場合があります。

Q自主調査の費用を安く抑える方法はありますか?
A

全25項目ではなく、土地の過去の利用状況から「リスクが高い項目」のみを選んで調査することで、費用を大幅に削減できます。例えば、ガソリンスタンド跡地ならベンゼンや鉛、メッキ工場跡地なら六価クロムやシアンなど。

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この記事を書いた人

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現場の窓口 編集部

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参照・引用元

  • 環境省-土壌汚染対策法
  • 都道府県-土壌汚染調査報告制度
  • 国土交通省-宅地建物取引業法(重要事項説明)

※ 各省庁の公開情報および当サイト提携業者からの提供データに基づき作成しています

更新履歴

  • 20261最新情報を確認・更新
  • 2025-02-01記事作成