IT点呼とは
読み方: あいてぃーてんこ
IT点呼とは、テレビ電話等の情報通信機器を用いて行う遠隔点呼。Gマーク取得事業所など一定の要件を満たす事業者に認められる制度。
IT点呼とは、テレビ電話やスマートフォンアプリなどの情報通信機器を用いて行う遠隔での点呼のことです。貨物自動車運送事業輸送安全規則に基づく対面点呼の例外措置として、一定の要件を満たす事業者に認められています。
【IT点呼の法的根拠と制度の背景】 IT点呼は、2007年(平成19年)に国土交通省により制度化されました。当初はGマーク取得営業所間での実施に限定されていましたが、2016年(平成28年)の規制緩和により、同一事業者内の営業所間でも一定の条件下で実施可能となりました。2024年4月からは「遠隔点呼」として制度が拡充され、より柔軟な運用が認められるようになっています。
【IT点呼の実施要件】 IT点呼を実施するには、以下の要件を満たす必要があります。 1. Gマーク(安全性優良事業所認定)の取得(一部の方式では必須) 2. 運転者の顔の表情、顔色、声、動作などが明確に確認できる機器の使用 3. アルコール検知器による測定結果を電子的に送信・記録できるシステム 4. 点呼実施場所に点呼執行者または補助者が不在であること 5. 過去3年間に点呼に関する行政処分を受けていないこと
【IT点呼で使用する機器・システム】 IT点呼に使用する機器は、以下の機能を備えている必要があります。 ・カメラ:運転者の顔全体が映り、表情・顔色が確認できる画質 ・マイク・スピーカー:クリアな音声通話が可能 ・アルコール検知器:測定結果を電子送信できるタイプ(据置型またはモバイル型) ・記録装置:点呼の実施状況を記録・保存できるシステム
代表的なIT点呼システムには、東海電子の「IT点呼キーパー」、パイオニアの「ビークルアシスト」、富士通の「運行管理システム」などがあります。月額費用は1営業所あたり数万円程度が相場です。
【IT点呼の具体的な運用フロー】 1. 運転者が点呼場所のカメラ前に立つ 2. 運行管理者(または補助者)が遠隔から映像・音声で本人確認 3. 運転者の顔色、声、動作から健康状態・疲労度を確認 4. 運転者がアルコール検知器で測定、結果を電子送信 5. 運行管理者が結果を確認し、問題がなければ乗務を許可 6. 運行指示事項を伝達 7. 点呼記録をシステムに保存(1年間保管義務)
【IT点呼導入のメリット】 ・深夜・早朝の運行管理者の負担軽減 ・遠隔地営業所の効率的な点呼管理 ・運行管理者の人件費削減 ・点呼記録の電子化による管理業務の効率化 ・複数営業所の一元管理
【IT点呼の注意点と禁止事項】 IT点呼は対面点呼と同等の品質確保が求められます。以下の点に注意が必要です。 ・通信障害時は対面点呼に切り替える必要がある ・点呼補助者の教育・指導を十分に行う ・機器の定期点検・メンテナンスを怠らない ・記録の改ざんは絶対に行わない(厳しい行政処分の対象)
IT点呼の不適切な運用は、貨物自動車運送事業法違反となり、許可取消しなどの重い行政処分を受ける可能性があります。導入時は運輸局への届出が必要で、適切な運用体制を整備してから開始することが重要です。
IT点呼に関するよくある質問
Q.IT点呼を導入するにはGマークが必須ですか?
A.Gマーク(安全性優良事業所認定)は、IT点呼の実施形態によって要否が異なります。異なる営業所間でのIT点呼にはGマークが必要ですが、2024年4月からの「遠隔点呼」制度では、一定の要件を満たせばGマークなしでも実施可能な場合があります。詳細は管轄の運輸局にご確認ください。
Q.IT点呼に必要な機器の費用はどのくらいですか?
A.IT点呼システムの導入費用は、初期費用として10万〜50万円程度、月額費用として1万〜5万円程度が一般的です。アルコール検知器(電子送信対応型)は1台3万〜10万円程度です。複数営業所で一括導入すると割安になるケースが多いです。
Q.IT点呼は24時間いつでも実施できますか?
A.IT点呼は、運行管理者または点呼補助者が対応できる時間帯であれば24時間実施可能です。ただし、点呼補助者が実施できる点呼は全体の3分の2までという制限があるため、運行管理者の勤務体制と合わせた運用設計が必要です。
Q.IT点呼と遠隔点呼の違いは何ですか?
A.2024年4月から制度化された「遠隔点呼」は、従来のIT点呼を発展させた制度です。遠隔点呼では、Gマークがなくても一定の条件下で実施でき、グループ会社間での点呼も可能になるなど、より柔軟な運用が認められています。ただし、運行管理の高度化計画の提出など、追加の要件があります。
